<ソチ五輪>女子フィギュアの金メダルを巡るコスチュームカラー論争
これらのルールに違反したコスチュームは、減点1.0が科せられてしまう。それほどコスチュームが勝敗に与える影響は計り知れないのだ。 ■コスチュームでジャッジに与える印象が大きく異なる 元全日本2位で、現在はインストラクター兼評論家としての活動をしている中庭健介氏は、フィギュアスケートにおいて、コスチュームがもたらす効果をこう説明する。 「コスチュームひとつで、ジャッジに与える印象は大きく変わります。例えば、スカートの丈の部分が長ければ、足が短く見えますし、短ければ、逆に足が長く見えます。袖の長さによって、今度は手の長さの見え方が変わります。また色も重要ですね。暖色だと太って見えたりと、ジャッジに与える印象が大きく違います。また選んだ曲に合わせての色調もあります」 ■賛否両論だったキム・ヨナの“たくわんコスチューム” 最近では、キム・ヨナが、黄色と、金色の間のような奇抜なカラーのコスチュームをショートプログラムで着用して賛否両論が起きた。日本の漬物のたくわんのような色だったため「たくわんコスチューム」と揶揄するメディアまであった。 「いい悪いは別にして、あれ(キム・ヨナのコスチュームのカラー)には驚きました。え?なんで?と」 中庭氏も、あのコスチュームカラーには疑問を感じた。それほど、コスチュームがジャッジに与える印象は大きく、5コンポーネントといわれる芸術的の点数にまで、影響を与えるという。 ■今シーズン、浅田真央、キム・ヨナは黒色系統 その重要なカラーが、3大会連続で金メダリストが青系なのだから、各国の金メダル候補が、意識するのも当然だろう。たいていのスケーターは、五輪用のコスチュームを用意するので、ここまでのシーズンのカラーを踏襲するかどうかはわからない。浅田真央も、キム・ヨナも、今シーズンは、黒系統のコスチュームをフリープログラムで使っていた。
「浅田選手は、シーズン当初は青でしたが、曲とプログラムが変わったことで、だんだんと、黒系になってきましたよね。キム・ヨナもそうなんです。本番では、青に変えるのでしょうか。それとも、黒のままでいって4大会目の金メダルは黒となるのでしょうか」とは、中庭氏。 ジンクスを担いだ青系か。それとも4大会目は、そろそろジンクスも途切れると踏んで黒系か。浅田、キム・ヨナの両金メダル候補が、どういうコスチュームカラーを選択してくるかもフィギュアスケートファンが注目しているが、コスチュームのカラー論争は、まだまだ尽きそうにない? (取材協力・アスリートジャーナル)