5月を彩る風 頭上に揺れる110色のグラデーション 梅雨の風物詩、今年は環境に配慮
軽井沢町のハルニレテレラス、恒例のイベント始まる
長野県北佐久郡軽井沢町の星野リゾートが手がける商業施設「ハルニレテラス」(長倉)で、自然素材を使って染めた110色の布で頭上を彩るイベントが始まった。「星野温泉旅館」が1914(大正3)年に創業してから今年で110周年を迎えたことにちなみ企画。訪れた人たちも、布越しの日差しを受けてさまざまな色に染まっている。 【写真】「ごみ捨て場」に苗を植えて、夫婦の情熱で作った花畑
ハルニレテラスは、梅雨時に色とりどりのビニール傘を飾る企画が風物詩になっていたが、今年は環境に配慮してビニール傘の代わりに布を採用。「Organic Wind(オーガニック・ウインド)」と名付けた。布は縦0・4メートル、横4・8メートルで、大町市の染色家田沢康彦さん、苺禾(まいか)さん夫婦が染めた。染料は県内で収穫したコブナグサやクルミ、ヤマモモなどを使用。赤や青など同系色でも、少しずつ風合いが異なる。 星野リゾート広報の久志(くし)侑子さん(31)は「この時季の気持ち良い風を、肌だけでなく視覚でも感じてほしい」と話した。 企画は6月末まで。今月20日から施設内の店舗で自然食材を用いた特別メニューを提供する。6月15、16日には田沢さん夫婦による染色体験のワークショップ(参加型講習会)を開く。