【1日3分間のメンタル強化法 第2回】最高のサービスを放つには、筋肉の使い方よりもイメージが大切<SMASH>
メンタルを強くしたいけれど、大変そうで敬遠している人はいないでしょうか。そこで、伊達公子や浅越しのぶを指導した経験を持つメンタルアドバイザーの椙棟紀男氏が、メンタルの強化方法を伝授。一般プレーヤーもすぐに取り組めるように、短い時間でのトレーニング方法を紹介していきます。 【画像】今を時めく弾丸サービスを放つトップ選手たち! * * * 安定感のある華麗なサービスは全てのプレーヤーの願いでしょう。ところで皆さんは「自分の身体は自分でコントロールできる」と思っていませんか? 確かに自分の意思でも身体は動くのですが、華麗な動きは“この筋肉を使って打て”という意識から解放されて、潜在意識にプログラムされている映像が表現された時に生まれます。この脳のプログラムは、単に知っているだけではダメで、正しい反復練習によって身体そのものが覚えるのです。重要なのがイメージトレーニングの力なのです。 高校球児が速いボールを投げたいと力一杯の投球をしていたので、私は「キャッチャーミットにスポンと穴が開いていると思って投げてみよう」とアドバイスしました。力みが取れてリラックスして速いボールを投げるようになりました。これは、筋肉活動からイメージ投法への変換です。 サービスでも同様のことが当てはまります。事前にどう身体を使えば自分の打ちたいボールが打てるかを理解しておく必要はありますが、それを知っていれば、イメージすることで筋肉は勝手に最適な動きをしてくれるようになるのです。 若き日の浅越しのぶにも、「相手コートに落ちたボールがバウンドしてそのままフェンスを越えていくイメージを持とう」とアドバイスしたことを思い出します。 技術が理解できているなら、あとは発揮するだけです。そのために、自分にとって最高のサービスのボールの動きをイメージしましょう。反復することによって脳にプログラムされたら、試合でイメージすることで力むことなく理想のサービスが打てます。ポイントはスイングではなくボールの動きをイメージすることです。 私たちの脳は、すごい力を持っています。スポーツに限らず「できて当然」と思えたことは、かなりの確率で叶うのです。イメージトレーニングはケガで練習ができない時や技術の修正などにも役立ちます。 ◆解説=椙棟紀男 ㈱トレビック代表取締役。アスリートをサポートする、メンタルアドバイザー。様々なスポーツ選手を見ており、テニスでは伊達公子や浅越しのぶを指導した経験を持つ。 構成●スマッシュ編集部 ※スマッシュ2020年3月号から抜粋・再編集