自由すぎる「ディーゼル」の観客が最高、ミラノの百貨店は「オニツカ」一色 2024-25年秋冬ミラノコレリポートvol.1
2024-25年秋冬ミラノ・ファッション・ウイークが2月21日に本格的に開幕しました。「WWDJAPAN」では編集長の村上要と記者の木村和花が現地入りし総力レポートします。初日は「ディーゼル(DIESEL)」「フェンディ(FENDI)」「エトロ(ETRO)」など。 【画像】自由すぎる「ディーゼル」の観客が最高、ミラノの百貨店は「オニツカ」一色 2024-25年秋冬ミラノコレリポートvol.1
9:00 「セラピアン」、日本とイタリアの美意識が共鳴
木村:初日の朝は、バッグブランド「セラピアン(SERAPIAN)」のアトリエへ。シグネチャーのナッパレザーを編み込んだ“モザイコ“は、短冊状のレザーを格子状に交互に編んでいくもので仕組みは単純ですが、「セラピアン」の表現力の幅の広さに驚きます。ベースのスエード地に同系色のレザーを編み込んで深みのあるトーンオントーンにしたり、メタリックなレザーを一部にだけ編んでアクセントを加えたり。バッグのほかにも車の内装や家具をオーダーする人もいるそうです。今季は「シークレットガーデン」をテーマに、淡いトーンが印象的なグラデーションの新作や定番のトートバッグのミニサイズなどが登場しました。そして、ショールーム中央では日本の老舗着物ブランド「千總」とのコラボ商品が発表されました。「ミラノと日本にしかない架空の花」をというお題でイメージした小さな青い花を主役に両者の美意識が共鳴します。「千總」のチーフデザイナーの今井淳宏さんも会場でデザインのデモンンストレーションを行っていました。話を聞くと、「普段は実在する花を描くことが多いから、今回のお題はとても楽しかった。『セラピアン』らしい可憐さを大事にデザインした」とコメントしてくれました。
地下のスペースでは、“モザイコ“を自分好みにカスタマイズできるビスポークサービスが提供されています。私もこの機会にビスポークサービスを体験させてもらいました。ビスポークチーフで、セラピアン家3代目のジョヴァンニ・ノダーリ・セラピアン(Giovanni Nodari Serapian)の助言を受けながら、まずバッグの形、土台となる色を決めた後、デザインを決めていきます。膨大な組み合わせから選ぶのは結構至難。本来であればゆっくりじっくり選べますが、私は次のショーの時間が迫っていたため制限時間は10分。ジョヴァンニさんの前で下手な組み合わせは選べない、そしてさっさと選ばないと遅れてしまう、というプレッシャーゲームのなか変な汗をかきました(笑)。結果、ブラウンをベースにポイントでピンクを差し込んだクラッチバッグをオーダー。ジョヴァンニさんも「すごくいいチョイスだよ」と言われ胸を撫で下ろしました。アトリエのチームと(本来であればゆっくり)コミュニケーションをとりながら、目の前で自分だけの1点が出来上がる時間はとても楽しかったです。