旧ビッグモーター「兼重家」が「噴水付き豪邸」「軽井沢・熱海の巨大別荘」を一括売却していた 「100億円」債務返済の原資か
100億円を捻出か
ところが、である。 これらの不動産の登記簿を取得すると、この10月4日付で上記の不動産はすべて、都内の不動産会社に売却されている。 BMの株は手放したものの、現状、兼重家は損害賠償請求の対象になっていない。息子の兼重宏一・元副社長についても、店舗前街路樹の伐採などをした器物破損容疑で書類送検こそされたものの、不起訴になっている。なぜ一代で築いた財産を一気に手放す必要があったのか。 前出の経済部デスクが言う。 「分割に当たり、兼重家の持っていた株はSPC(特別目的会社)に譲渡された上で、JWPという投資ファンドが買収しています。兼重家は対価を得ていません。また、分割に当たり、兼重家は100億円を旧会社に拠出するとの報道がありました。旧会社はそれを債務返済や訴訟対応の原資に当てるということです。売却はこの100億円の捻出に使われた可能性があります」
BMから借金
実際、先の登記簿を見ると気になることがある。前述の不動産のうち、軽井沢と熱海、京都の不動産には、5月1日付で、「売買代金同日設定」として、債務者が資産管理会社、権利者がBMとなり、抵当権が設定されていた。債権額は100億円。共同担保には目黒区の物件も入っている。そして、前述の不動産売却同日の10月4日に、この抵当権は解除されている。 この抵当権設定について、BALMに問い合わせをしたところ、以下の回答が来た。 「具体的な取引の内容については、弊社より申し上げることは難しい点ご了承頂けますと幸いです。なお、弊社としては創業家には一定の責任は取って頂いたと考えております」 不正発覚から1年余りで巨額の資産を失った兼重家。栄華の夢の跡を見て、前社長は今、何を思っているのだろうか。 デイリー新潮編集部
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