植田・日銀「イラン危機」で早くも正念場へ…!「決定会合前」に整理する金融政策転換の「歴史的“茶番劇”」と円安進展の「不都合な真実」
「日本株暴落」のなか、植田総裁の腹を探る…
昨週末の4月19日の日経平均は、1000円以上暴落した。 イランの攻撃やイスラエルの報復など地政学的リスクが露わになり、米ハイテク株の大幅な下落など、昨年以来、上昇をつづけてきた日本株も混迷を来してきた。 【一挙公開】乱高下の日本株…「サバイバル相場」を生き残る「珠玉の43銘柄」! そうした中で、注目されるのが日本銀行の政策決定会合だ。さらなる利上げを占う上でも重要な会合となる。 そこで、4月25日、26日に行われる会合を前に、前回3月の会合で金融政策を変更した日銀がどのような動きを見せるのか、注目点を整理したい。 そのために、まずは3月の決定会合を振り返ろう。 歴史的な政策転換を行った日銀・植田和男総裁はいま何を思うのか――。それを知るカギは、3月の決定会合にある。
惑わされてはいけない!「歴史的転換」の真相
日銀は3月18、19日の金融政策決定会合で「金融政策の枠組み見直し」を発表し、金融政策を変更した。しかし、我々はこの「見直し」という言葉に惑わされてはならないだろう。 そもそも、17年ぶりの利上げという歴史的な金融政策の転換となった金融政策決定会合の内容は、事前に報道されていた内容そのままで“歴史的な茶番劇”と言えるものだった。 おそらく、日銀は政策転換を事前に関係省庁や政治家へ根回ししたのだろう。そのため報道機関に内容がダダ漏れとなった。言うまでもなく、金融政策は日銀の専管事項だ。安易にマスコミに情報を漏らす政治家も節操がないが、いかに日銀の独立性が脆弱であるかを物語っている。 それはさておき、では日銀はどのように政策転換をしたのだろうか。 日銀が発表した「政策転換」の中身は次の内容だった。 1.金融政策手段を短期金利の操作に戻し、これまでマイナス0.1%としていた短期金利の誘導目標を0~0.1%に引き上げる。 2.長期金利(10年国債利回り)を0%程度に抑え込むための長短金利操作(YCC:イールドカーブ・コントロール)を終了する。 3.ETF(上場投資信託)などリスク資産の買い入れも終了。