重傷のリュウキュウアオバズク、校内に 「助けたい」職員ら手尽くし入院・手術へ 沖縄職業能力開発大学校
【沖縄】沖縄職業能力開発大学校(沖縄市)のキャンパス内で24日、けがを負い草地に横たわっているリュウキュウアオバズクを学校関係者が発見した。南西諸島固有のフクロウで県レッドデータブックの準絶滅危惧種に指定される。「助けたい」という職員らの熱い心と、ようやく探し当てた治療先の尽力で今、肩の骨折など重傷が判明したアオバズクは弱った体力の回復と手術を待っている。 【なぜ?】ハブのいない宮古島に サキシマハブの死骸が… 沖縄
野底武浩校長(65)によると発見後、個体は動けない状況だったことから行政機関に相談。準絶滅危惧種でもあり「そのままにしておいて」と助言を得たものの、スタッフら一同は「動けないのにこのままにはしておけない」と救助を模索する。懸命に情報収集してヤンバル動物診療所(名護市)にたどり着き、山岸真貴獣医師の説明や鳥インフルの検査も経て(結果は陰性)、入院加療に至る。 現在は鶏のささみやレバーを少しずつ食べて打撲や内出血などのけがから回復し、骨折の手術に備える。事故は夜間に昆虫を追ってライトに向かい車とぶつかったのでは―と推測されるそうだ。 野底校長は「スタッフの『助けたい』との声にも押され、ヤンバル動物診療所につながれてありがたい」と感謝。「よく私たちの所まで飛んで来てくれた」とも。手術がうまくいけばもちろん自然に戻したい考えだが、「愛着も湧いたので万が一飛べなくなっても、診療所やスタッフと相談して引き取る方向でも考えたいと思っている」。年明けにも様子を見に行くという。
(石井恭子)
The Ryukyu Shimpo Co., Ltd