舞台『ある閉ざされた雪の山荘で』開幕 室龍太らが意気込みを語る
室龍太が主演する舞台『ある閉ざされた雪の山荘で』が1月22日(月) に大手町三井ホールで開幕。初日公演前にゲネプロと取材会が開催され、室龍太と今江大地、構成・演出の野坂実が公演への意気込みを語った。 本作は、1992年に講談社ノベルスとして単行本が発行され、1996年に講談社文庫から文庫本が発行された、東野圭吾による傑作ミステリー長編小説が原作。2024年1月12日(金) からは映画も公開されている。 舞台版の構成・演出は野坂実、脚本は米山和仁が担当。野坂はミステリーを専門に舞台化するプロジェクト“ノサカラボ”の代表を務めており、緻密なトリックやリアルな人間ドラマを描くことで高い評価を得ている。 物語の舞台は、オーディションに合格した俳優志望の男女7人が舞台稽古のために集められた「吹雪の山荘」。限られた空間の中で、個性豊かなキャラクターたちが織りなす推理劇は、冒頭から数々の伏線が張られており、一瞬たりとも見逃せない。 室が演じる主人公の久我の思考がモノローグや説明ゼリフで明かされていくため、久我と共に推理をしているかのような感覚が味わえるのもこの作品の面白さのひとつ。 また、舞台上にはラウンジのセットが備えられているが、その両側をドアを開くように展開すると、遊戯室やベッドルームに早変わりするというのも興味深い。実はこれらの舞台セットにも推理劇ならではの工夫が凝らされていることがラストで分かるので注目だ。 ゲネプロ後に行われた取材会には、室と本多雄一役の今江、構成・演出の野坂が登壇。室は、「今回、今までやったことがない役柄に挑戦しているので、お稽古の時から課題だらけ。プレッシャーに押しつぶされそうになりながらここに立っているというのが今の心境です。でも、この状況すらも楽しめる強靭な心を持っているので、この後もその心を撃ち抜かれないように頑張っていきたいと思います」と初日を前にした心境を明かした。 一方、今江も「僕も重要な役どころです。原作を読み、脚本を読んで、(現在公開中の)映画も観て、自分はどうやって演じようかと考えました。野坂さんと一緒に稽古場で作り上げてきたのでそれを今日から、上演できるのが嬉しいですし、自分ができることを精一杯やりたいと思います」と意気込んだ。 今作の舞台は、原作のまま1992年という設定。野坂は「原作を読ませていただき、かなり秀逸で面白かったので、よりブラッシュアップしたいと思い、そのままの時代にしようと考えました。90年代の話だからこそ、お芝居もその時代に合わせて変えてもらっています。ぶつかり合いが多いんです。現代の若者はぶつかり合いを避けるけれども、当時はガンガンぶつかっていく。不器用な人たちが必死になっていいものを作ろう、お芝居を頑張ろうと思ってぶつかって欲しいと伝えてきました」と今作の演出意図を説明。 そして、「エンタメになりそうなところを抑えて、ストレートプレイに寄せているので、俳優さんのお芝居がメインになっている。役者さんたちはかなりの熱量でお芝居を作っているので、それを楽しんでいただきたい。1回では分からない目線の動きもたくさんあります。どうしてここを見ているのか、至るところに伏線が仕掛けられていますので、何度も観て楽しんでいただけると思います」とアピールした。 さらに、今江も「今、緊張とワクワクがどっちもありますが、大好きなお芝居で負けたくないと思って挑んでいる作品です。役者たちの熱量が半端ないので、絶対楽しめると思います」と力を込め、室は「舞台は舞台で楽しんで、映画は映画で楽しんで、どちらも楽しかったと思っていただけるよう頑張りたい。僕と一緒に推理をしていただけたらいいなと思います。色々なキャラクターの視点からぜひ物語を楽しんでください」とメッセージを送って会見を締めくくった。 <公演情報> 舞台『ある閉ざされた雪の山荘で』 原作:東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』(講談社文庫) 構成・演出:野坂実 脚本:米山和仁 【出演】 久我和幸:室龍太 中西貴子:大野いと 田所義雄:加藤良輔 元村由梨江:本西彩希帆 麻倉雅美:入来茉里 笠原温子:綾凰華 雨宮京介:小南光司 本多雄一:今江大地 2024年1月22日(月)~28日(日) 大手町三井ホール