【採点寸評|湘南】大橋は“町野越え”を果たせず。阿部は高精度キックでチャンスメイク[J1第34節 湘南 0-1 FC東京]
「5位以上」へ向けて課題は山積
[J1第34節]湘南 0-1 FC東京/12月3日/レモンガススタジアム平塚 湘南ベルマーレは12月3日、J1第34節でFC東京と敵地で対戦し、0-1で敗北した。 【PHOTO】負けられない戦いを選手たちと共に戦った湘南ベルマーレサポーター 敵陣に押し込んでチャンスを作る時間帯もあったなか、52分に小泉慶に先制点を許す。終盤はCBのキム・ミンテを前線に上げて猛攻を仕掛けるも、最後までネットを揺らせず。最終節を勝利で飾れなかった。 ▼湘南のチーム採点「5.5」 前節の横浜FC戦でJ1残留を決めたあとの試合。どんなに気を緩めずやり切ろうと選手たちが自身を鼓舞しても、モチベーションを保つのが難しいゲームだったかもしれない。ただ、ホーム最終節に集った多くのサポーターに勝利を届けるため、湘南イレブンは懸命に戦った。 前半は2トップの一角が相手の中盤を消しながらプレスをかけてボールを奪うと、ウイングバックとサイドボランチが連係して敵陣に侵入。特に岡本拓也と池田昌生、アンカーの茨田陽生が絡む右サイドからの攻撃は効果的で、クロスからいくつかの好機を演出した。 しかし、前半は得点を奪えず後半に突入すると、ハイプレスをかわされたところを起点に押し込まれ、52分に先制点を許す。鈴木章斗や福田翔生ら攻撃的な選手を加えて、終盤は攻勢に出たが、最後まで1点が遠かった。 大橋祐紀がシーズンを通して13ゴールを挙げたとはいえ、目標の「5位以上」を実現させるには、やはりさらなる得点力の向上が求められる。フィニッシュの精度ももちろんだが、今節のシュートの本数は8本のみ。クロスが逆サイドに流れてしまったり、ラストパスがラインを割ってしまったりと、チャンスメイクの時点でのミスが散見したため、まず改善すべきは相手のボックス内をどう攻略するか、という点だろう。 今季の前半戦に見せたロングボールに対する弱さも、キム・ミンテの加入、つまりは個の能力と、大岩一貴や大野和成ら長身選手の配置で解決したにすぎない。得点面も含め、目標の「5位以上」へ向けては課題山積だが、山口智監督の「一つひとつ取り組んでいく」という言葉を信じたい。 ▼湘南の出場16選手&監督の採点・寸評。 GK:ソン・ボムグン|採点5.5/47分に左からの際どいシュートをストップ。失点の場面は肩越しに打ち抜かれたが、相手のシュートを褒めるべきだろう。90+7分には最後尾からの上質なフィードでチャンスを演出した。 DF:大岩一貴|採点6/4バックに変更した試合終盤は、右SBとして果敢にオーバーラップ。逆サイドからのクロスにも飛び込んだ。 DF:キム・ミンテ|採点5.5/ディエゴ・オリヴェイラを徹底的にマークしつつ、楔のパスで攻撃の起点にもなった。試合終盤はパスの精度を欠き、タッチラインを割るシーンも。 DF:大野和成|採点5.5/ビルドアップで精彩を欠くシーンはあったが、身体を張った守備が光る。34分のスライディングは素晴らしかった。