自動車船でウミガメを運びます!商船三井がウミガメの回遊経路調査に協力
商船三井はこのほど、絶滅危惧種のアカウミガメの回遊経路調査に協力した。自動車船「FIRMAMENT ACE」に調査対象のアカウミガメを乗せて、太平洋の放流地点まで送り届けた。名古屋港水族館(名古屋市港区)が米スタンフォード大学など国内外の研究機関と共同で実施する調査で、昨年に続いて協力した。
6月27日に名古屋港金城埠頭で、アカウミガメ28頭が同船に積み込まれた。同水族館関係者2人が乗船し、現地時間の7月7日に北太平洋中部で放流した。全頭が約2歳で、甲長35―40センチ、体重約9キロに成長しており、外敵から襲われる可能性は低いという。
アカウミガメは海面が暖かくなるエルニーニョの年には、太平洋を横断して米カリフォルニア沖まで回遊するという熱回廊仮説があり、送信機を付けたアカウミガメを追跡して検証する。行跡と海洋環境のデータを詳細に分析して回遊生態を解明し、アカウミガメの効果的な保護活動につなげる。
商船三井は「事業による海洋環境・生態系への影響を認識し、事業活動の場であり、世界万人の共有財産である海洋保全に貢献すべく、今後も多種多様な企業市民活動を積極的に行っていく」としている。
日本海事新聞社