藤の花20種が競艶、静岡県藤枝市・蓮華寺池公園のゴールデンウィーク
藤の花日本一を目指している静岡県藤枝市。市民の憩いの場になっている蓮華寺池公園では、20種250本もの藤の花を栽培している。例年、4月下旬には花が散ってしまうそうだが、今年は1週間から10日遅れでようやく満開に。ゴールデンウィークを迎え公園には藤の花見をしようと大勢の人が訪れていた。
ひと口に藤の花といっても、色や形は様々。蓮華寺池公園には、濃い紫色の花が房のようについた藤のイメージそのものの「黒龍」から、白色の花がつく「シナフジ」、うっすら紅色が入っている「新紅」など、さまざまな藤の花が競い合うように咲いており、周囲には花の香りも漂って妖艶な雰囲気。 カメラを手に訪れた人たちは、気に入った藤の花の前で撮影をしながら花見を楽しんでいた。藤枝市に10年以上在住しているというブラジル人男性は、「ブラジルでは見ない花。毎年楽しみにしています。1週間前にもきたが、その時はまだあまり咲いていませんでした。今日は娘を連れてきたが、満開なのでよかった」と話していた。
公園の藤の花は、市民グループの「藤友会」のメンバーらが毎日、世話をしている。「基本的なことをしているだけでは、いい枝ぶりにはならない。そこに自分なりの流儀と工夫をして育てるのが魅力」と会長の山田市郎さん(81)。同会の会員15人が工夫を凝らして公園の藤の花を育てているという。
藤枝市というだけに地名と藤の花との関わりが気になるところだが、同市の郷土博物館によると明確な地名の由来はわかっていないとのこと。ただ、平安時代に八幡太郎こと源義家が奥州制定のため東海道を東に向かった際、神社の松の木に藤の花が咲いているのを見て、その神社に和歌を奉納したとの逸話が残っているらしい。 藤枝市は藤の花を市の花にしており、藤の花日本一を目指して栽培に取り組んでいるという。藤枝市蓮華寺池公園の藤は5月初め頃まで楽しめそう。