熊本県内で溶連菌感染症広がる 劇症型「人食いバクテリア」は全国患者数が過去最多
熊本朝日放送
熊本市などで、いわゆる溶連菌感染症が流行していて、注意が必要です。 熊本市によりますと「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の1医療機関あたりの患者報告数は、5月26日までの1週間で8.63人と、国が警報レベルの基準としている8人を超過。6月2日までの1週間では、基準を下回ったものの、依然6.81人と高い水準が続いています。 いわゆる「溶連菌感染症」症状と対策について、熊本大学病院小児科阿南浩太郎助教は、「風邪よりも鼻水や咳やたんは少なくて、喉の痛みが中心。普通の風邪やインフルエンザと同じように、手洗いうがいをするのが一番の対策になります」と語ります。 「人食いバクテリア」とも呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の患者報告数(全国)は、過去最多だった去年1年間の941人を上回る977人となっています。 阿南浩太郎助教 「劇症型の場合は、喉で感染が起こっている溶連菌が急速に体のあちこちに広がっていくということで、急激に状態が悪くなるというものを指すけれども、高い熱が出るほか、体の皮膚に炎症が広がっていったり、血圧が下がって意識が急激になくなることがあります」 致死率は20~30パーセントで、感染の疑いがある場合は、すぐに医療機関を受診してほしいとしています。 阿南浩太郎助教 「合併症として腎臓が悪くなったり、心臓に合併症を起こしたりということが知られています。溶連菌にかかった場合は、しっかり治療を続ける必要があるとされていますので、1日、2日でだいたい熱は下がるんですけど、そこで自分の判断で抗生剤を飲むのをやめてしまうのではなくて、10日から2週間しっかり治療できることが大事」 また、手足口病にも注意が必要です。熊本県によると、県内の報告数は先週まで4週連続で増加。特に、山鹿、菊池、宇城地域では警報レベルに達しています。 手のひらや足の裏、口の中の粘膜などに小さな水ぶくれが見られ、幼児を中心に夏季に流行します。飛沫や接触により感染するため、丁寧な手洗いや排泄物の適切な処理などの対策が有効です。