「鬼レンチャン」達成で話題! ものまね芸人“ハリウリサ”が明かす「浜ちゃんものまね」誕生秘話と、「LGBTQ」であることをカミングアウトした理由
“女装をした浜田さん”にそっくり
ダウンタウン・浜田雅功のものまねで知られる、女性ものまね芸人・ハリウリサさんに注目が集まっている。 【写真】「浜ちゃんものまね」と同一人物に思えない…カジュアルなファッションで取材に応じる素顔のハリウリサさん 「千鳥の鬼レンチャン」(フジ系)内の企画「サビだけカラオケ」で見事な歌唱力を披露するだけではなく、母への思いを歌ったオリジナルソング「ヴィルマ」が話題を呼んで、同番組の最高視聴率を記録。同曲は5月30日に配信が開始、あわせてミュージックビデオも公開された。 その曲の中で、ハリウさんは自身がXジェンダーであることを打ち明けている。これまでのこと、これからのこと。夢を聞いた。(前後編のうち「後編」)【我妻弘崇/フリーライター】 前編【「ブサイクだから歌手は厳しいんじゃない?」と言われたことも…“浜ちゃん”ものまね芸人が、悲願のデビュー曲で歌った「フィリピン人母」への思い】からの続き ***
ハリウさんが、浜田雅功ものまね誕生の瞬間を振り返る。 「ものまね芸人の先輩たちと楽屋に置いてあるいろいろなかつらをかぶって、何かにつながらないかって試していたんです。おかっぱのかつらをかぶった私を見て、『笑ってはいけないシリーズ』(日テレ系)の定番ネタだった“女装をした浜田さん”にそっくりだって、みんなが笑ってくれて。そのままの勢いでステージに上がると、めちゃくちゃウケたんです(笑)」(ハリウさん、以下同) 偶然のたまもの。実力派の先輩ものまね芸人たちもほめてくれた。だが、そのネタをもってしても、テレビの壁は厚かった。 「見た目が似ているだけで、ものまねのクオリティとしては低いんです。だから、オーディションでは受かりづらくて」 ハリウさんの得意ジャンルは、あくまで歌まねだ。歌まねであればクオリティに自信がある。しかし、レパートリーこそ多いが、インパクトに欠ける。器用貧乏――。まさにこの状況に陥っていた。ところが、ある番組をきっかけに、その不器用さに光が当たる。
「この番組のおかげで、今の私はあります」
「『ウチのガヤがすみません!』(日テレ系)で浜田さんのものまねをしたら、フットボールアワーの後藤さんが、“似てへんのに、よう自信満々でやるなぁ!”と突っ込んでくれるようになって。私の浜田さんのものまねは、“似てないことを誰かが突っ込むまでがセット”という説明書を作ってくれました。『ウチのガヤがすみません!』は私にとってのターニングポイント。この番組のおかげで、今の私はあります」 説明書ができたことで、欠けていたインパクトを補うことができた。いまだ、「結果発表~」「しばくぞ、コラ」「なんでやねん」など浜田ものまねの手札は、驚くほど少ない。そのことを正直に伝えると、「やかましいわ!」と即座にものまねが響く。なるほどたしかに、説明書の有無はものまねの輝きを左右するのだと納得してしまう。 前述したように、高校時代に通ったボイストレーニングで、ハリウさんは心無い言葉を浴びせられる。しかし、ホリプロコム所属直後から今にいたるまで、ずっとボイストレーニングに通っているという。 「事務所のマネージャーさんに、歌まねをするんだったら歌の技術をアップさせた方がいいと言われて通うようになりました。歌っていると、やっぱり歌が好きなんだなって自覚するんです。歌手へのあこがれが捨てきれなくて、ずっと夢見ていたんですね」 浜田ものまねで認知されるようになったハリウさんは、地道に歌のレッスンを続け、カラオケ番組などに出場するようになる。そしてついに、「千鳥の鬼レンチャン」の「サビだけカラオケ」で鬼レンチャン(10曲クリア)を果たすまでになる。番組で語られた母・ヴィルマさんとのエピソードが話題を呼び、先日放送された「FNS鬼レンチャン歌謡祭」(フジ系)では、オリジナルソング「ヴィルマ」をフル尺で生歌唱した。