東芝、17年3月期連結業績見通し発表(全文1)決算発表できないことをおわび
経営再建中の東芝は15日、2017年3月期の業績見通しを発表した。最終損益は9500億円の赤字となる見通しだが、監査法人の承認を得ていない。同社は「独立監査人による監査手続き中であり、修正される可能性がある」としている。午後2時より綱川社長らが都内で会見し、説明した。 【中継録画】東芝 3月期業績見通しについて 綱川社長らが会見
綱川社長からの説明 最終損益9500億円の赤字見通し
司会:ただ今より、2016年度、通期業績見通しに関します会見を始めさせていただきます。最初に本日の出席者をご紹介申し上げます。代表執行役社長、綱川智でございます。代表執行役専務、平田政善でございます。申し遅れましたが進行を務めます、広報・IR部、長谷川でございます。それではまず、綱川よりお話を申し上げます。 綱川:綱川でございます。本日当社は2016年度の通期の業績を見通しとして公表をいたしました。当社は4月11日の、2016年第3四半期の決算発表時に5月中旬には決算の内容を公表する予定であると、そういう旨をお知らせしておりましたが、現時点で決算手続きは継続をしております。一方で通期業績の数値は期末から45日を経過することも考慮した上に株主、投資家さまをはじめとするステークホルダーの皆さまに、現時点の当社の業績見通しをお示しすることが情報開示の観点から重要であると、そのように判断し、本日公表させていただくことといたしました。 2016年度通期決算につきましては、2016年度の第3四半期決算以降、CB&Iストーン・アンド・ウェブスター社に関わる損失の認識時期の調査などを含め、東芝グループ全体の決算手続き完了の見込みが付き次第、速やかに公表をいたします。当社と独立監査人は皆さまのご心配を一刻も早く払拭するために今後に向けて協調しながら、適切かつ早期に決算手続きを終わらせるために最善を尽くしてまいります。本日、決算発表ができないことにつきましては株主、投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまに多大なるご心配をお掛けしますことを、あらためて深くおわびを申し上げます。 2016年度業績の見通しにつきましてはこのあと平田よりご説明させていただきますが、私のほうから少しお話をさせていただきます。4月11日にもご説明させていただいましたが、当社事業は巨額損失の原因となった海外原子力事業を除き、おおむね順調に推移しております。海外原子力事業につきましてはウェスチングハウス社等が米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続きの申し立てを行ったため、ウェスチングハウスグループが当社の連結対象から除外され、リスクを遮断したものと判断しております。ウェスチングハウスグループの非連結化により、2016年度決算において、非継続事業として計上されているため、2016年度の営業損益は2700億円の黒字になる見通しであります。しかしながらウェスチングハウス社等の米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続きの申し立てに伴う損失を非継続事業、当期純損益に計上することから2016年度の当期純損益、これは誠に遺憾ながらマイナスの9500億円となる見通しです。これに伴い、株主資本はマイナスの5400億円、非支配持分を含んだ純資産、これはマイナスの2600億円となる見通しでございます。このように大きな当期純損益を計上する見通しとなったとこを重く受け止め、2017年度以降、早期に財務基盤の立て直しを図ってまいります。 当社は現在、進めております、マジョリティー譲渡を含むメモリ事業への外部資本の導入に加えて、引き続き聖域なく、資産の保有意義の見直しを継続していきます。また3月14日にお示ししました、新生東芝において注力事業領域に位置付けておきます、社会インフラ、エネルギー、電子デバイス、そしてICTソリューション、これらの事業におきまして安定的に利益を確保、拡大してまいります。このため4月24日に公表いたしましたとおり、東芝グループに再生に向け、4つの社内カンパニーを分社化する基本方針を決定いたしました。インフラシステムソリューション社、ストレージ&デバイスソリューション社、およびインダストリアルICTソリューション社、これらの3社は7月1日に、そしてエネルギーシステムソリューション社、この関連は10月1日付で分社化する予定であります。 分社化後の各事業会社についてはグループ内の連携を強化しつつ、それぞれの事業価値最大化に特化するとともに、特定建設業の許可、維持、これらなどの事業継続性も踏まえた最適な体制を確立してまいります。これらメモリ事業への外部資本導入をはじめとする諸施策や組織運営の体制の見直し、これらによりまして着実、かつ安定的に利益を確保し、債務超過の解消と毀損した財務基盤の回復と強化を目指してまいります。 私からのご説明は以上でございますが、今後、早期の決算発表を目指し独立監査人とも協調の上、最善を尽くしてまいる所存でございます。引き続き誠心誠意、全力で取り組んでまいりますので、ご支援、ご理解をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。私からの説明は以上でございます。 【連載】東芝、17年3月期連結業績見通しを発表 全文2へ続く