亀蛇、迫力の舞 八代妙見祭、神幸行列にぎやかに
八代妙見祭は23日、八代市中心部でハイライトの神幸行列があり、獅子や笠鉾[かさぼこ]、亀蛇[きだ](ガメ)などきらびやかな40の出し物に約1700人が参加した。沿道は約15万人(主催者発表)の見物客でにぎわった。神幸行事は国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産。 熊本の文化・芸能
祭りは八代神社(八代市妙見町)の秋季例大祭で、約390年の歴史がある。行列は午前7時半、塩屋八幡宮(同市八幡町)から約6キロ離れた八代神社に向けて出発。獅子を先頭に1・5キロの列をつくって本町アーケードや桜十字ホールやつしろ、JR八代駅などを巡った。 各奉納団体は八代神社で参拝後、近くの砥崎河原[とさきのかわら]で演舞を披露。106年ぶりに頭を新調した獅子が異国情調たっぷりに舞い、全長3メートルの亀蛇は「ホイホイ」のかけ声に合わせて豪快に観覧席へ迫って観客を沸かせた。 友人と砥崎河原の桟敷席から観覧した同市郡築一番町の自営業の男性(57)は「今年もガメや飾り馬の迫力に元気をもらった」と笑顔を見せた。(河内正一郎) ◆「納め式」初再現、神幸行列を締めくくる 八代妙見祭の神幸行列を締めくくる「納め式」が23日夕、八代市西松江城町のお祭りでんでん館で初めて行われた。会場には松井家の家紋入りの幕が張られ、笠鉾[かさぼこ]が並ぶ中、亀蛇[きだ]と子ども獅子が演舞した。
細川家の筆頭家老で八代城主の松井家が、神幸行列を終えた参加者らを城の長塀前でねぎらった、との言い伝えを儀式として正式に再現したもの。砥崎河原[とさきのかわら]での演舞を終えた出し物の奉納団体が会場に集まると、松井家14代当主の松井葵之[みちゆき]さん(78)が「皆さまは真心を尽くしてご奉仕くださった」とあいさつ。各団体にお神酒を振るまった。 呼び物の神幸行列を終えた妙見祭は、獅子舞の道具を八代神社に納める12月1日の「注連納[しめおさめ]」で幕を閉じる。(上島諒)