《ブラジル》BRICSが決済システム構築か=ロシアの外貨準備凍結に対抗
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務相は、欧米の決済システムに代わるものとして、BRICS加盟国内で利用できる決済プラットフォームを求める動きが強まっていることを指摘した。同氏は、国際貿易において米ドルやユーロに代わる選択肢を求める国々が増えているとし、BRICS内で開発されている独自の決済システムは、これらの通貨に依存しない貿易や投資を可能にすると強調した。19日付フォルサス・テレストレスが報じた。 BRICSは、米国およびその西側同盟国に対する主要な反対勢力だ。元々ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカからなるこのブロックは、世界がドル依存から脱却することを目指している。世界的な決済インフラへのアクセスを拒否されることが増えているため、代替手段の開発はBRICSの重要な目標となっている。 BRICSは新たにアラブ首長国連邦、イラン、エジプト、エチオピアを加え、現在では国内総生産(GDP)の合計が29兆3千億ドルに達している。決済プラットフォームには、BRICSペイやBRICSブリッジがあり、これにより加盟国内の円滑な二国間決済が実現される。特にBRICSブリッジはブロックチェーン技術を利用し、グローバルな決済における分散型決済システムの実装としては最大級とされている。 またロシアは最近、SWIFTから排除された企業への負担を軽減するため、国境を越えた決済にデジタル資産の使用を合法化し、モスクワとサンクトペテルブルクに国家デジタル資産取引所を設立中だ。 BRICSの全加盟国がドル依存の削減を望む一方で、新システムをゼロから開発することは複雑で、ロシア中銀のエリヴィラ・ナビウリナ総裁は、各国がシステムを調和させるには数年を要すると認識している。 一方、ロシア連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ議長は、10月に同国カザンで開催されるBRICS首脳会議において、独立した決済システムの創設に関する決定が下されることを期待していると述べた。 同氏は、SWIFTや米ドルが信頼性を失ったと指摘し、西側諸国によるロシアの外貨準備や得られる収入を横取りしたことで、世界経済の原則を損なったと主張。 「首脳会議で、この問題が議論され、承認される可能性がある」と述べ、これが「積極的に進行中であり、現実的なものだ」と付け加えた。 マトヴィエンコ氏は、ロシアの外貨準備を資産凍結して運用益を奪い、それを勝手に利用することが可能な状況は、世界経済や世界の通貨・金融システムの根幹を揺るがすものだと考えている。西側諸国によるロシアの外貨準備の利用は、BRICS内の各国通貨による相互決済の増加を招き、ドルのシェア低下を招いたと指摘し、「BRICSブリッジ・プラットフォームについての話し合いは始まっている。このプラットフォームは独立しており、安全な商取引を保証することになるだろう」と述べた。