ネパール大地震から5月25日で一か月、現地に必要な支援は?
THE PAGE
ネパールで起きた大地震から、5月25日で一か月を迎える。かながわ国際交流財団職員で、日本ネパール協会の理事を務める同国出身のジギャン・クマル・タパさん(35)は、5月8日から19日まで首都・カトマンズなどに現地入りした。いま、現地の人々は何を必要としているのか、タパさんに聞いた。 タパさんが現地入りした目的は、日本からの支援物資を届けること、被災した家族を見舞うこと、そして帰国後、現状を日本の人々に知ってもらうことだ。日本からネパールには、航空会社の協力を得ながら、120キロの支援物資を運んだ。
物資は、軍手、マスク、生理用品、ビニールシート、ドライフードなどだ。現地では、がれきの撤去が素手で行われていることが珍しくなく、軍手は必需品なのだという。また200世帯分の米と豆、塩、油といった食料品のほか、テントや蚊帳(かや)は、インドのデリーで調達、カトマンズに運び込んだ。運び込んだ先は、シンパルチョク郡など政府の支援が入っていない20の村々も含まれていた。 タパさんによると、地震発生から一か月経った今も、路上で生活する人たちも少なくない。日本のような仮設住宅が公的提供されることはなく、国際援助団体などから提供されるテントなどが必要だ。特に、雨季を間近に迎えた今の季節は、雨をしのぐためのテントが必要なのだという。自分で木や竹を切って、古い倒壊した家のトタンを利用して住まいをどうにかしようという人たちもいて切迫している。 また、山間部においては、動物の死体が処理され切れておらず、悪臭を放っている。病気の蔓延を防ぐためにもマスクや蚊帳が求められている。
ネパール国内では8600人が死亡し、2万3000人が負傷していると伝えられている。滞在中もマグニチュード7.3の余震に見舞われたといい、恐怖を感じるほどだった。都市部においては、食料は届いているが、農村部ではそうではない。トラックをみるたびに、食料支援かと集まってくる人たちの姿も見られ、心を痛めたという。 タパさんは、緊急的な食料支援は必要だが、地震によってミシンや鍛冶の道具といった生活を支えるための道具を失った人たちが多くおり、生活再建を難しくしていると強調した。また、教育支援に力を入れてきたタパさんは、学校が再開できていないため、100万人の子どもたちが学校に行けていない現状を訴える。教材や文具類も地震でなくなってしまったといい、こうした方面への支援も必要と話した。 Yahoo!ネット募金 - ネパール 地震被害緊急支援募金