【京都】静謐な空間でリラックスして熟成茶を味わう至福【現代のティーサロンを訪ねて】
空間のデザインは、ブランドのクリエイティブ・ディレクションを担うトニー・チー・スタジオのディレクションのもと、台北のAODI、大阪のharuonaka&associates inc.が手がけており、コスモポリタンなサロンとなった。アンダーズ東京やパークハイアット京都といったハイエンドな空間のインテリアデザインで知られるトニー・チーが手がける、親密な規模のティーサロンはとても贅沢。
町家を改装した空間は、観光客で賑わう坂道に面しているものの、入り口を入ると打って変わって静謐が支配する。日本の縁側をイメージしたという、霰こぼしで敷き詰めたアプローチは、屋外を室内に引き込むという見立てだ。茶室へとつながる路地のようでもあり、茶室に行く工程も茶の体験の一部だと感じさせる。アプローチの左手には茶葉を販売し、茶器の展示も行うギャラリースペース、そしてその先の、坪庭を臨むサロンへとつながる。
茶をいただくサロンは8席。作庭家の北山安夫氏による坪庭を愛でることができるように、ガラス張りの開放的な「茶室」になっている。
訪れた時期にいただいた発酵していない生プーアル茶は希少。ほのかに梅の香りがする。一方で熟成プーアル茶は2012年産。12年もの歳月を経て、どっしりと黒糖やドライプルーンの味が舌に広がる。 岩茶の一種、肉桂は、キャラメルのような香ばしさが鼻腔を抜ける。(保存する茶葉の熟成状態を見ながら飲み頃の茶葉を提供するため、メニューは時期によって変わる)。2005年産の雲南六大茶山に育つ古樹の新芽を摘み、20年ほど熟成した生プーアル茶など希少な茶葉(8g ¥3,000)も購入が可能。 東西の眼差しが交差し、アレンジを効かせた現代の茶の湯を楽しんでみては。 POUYUENJI KYOYO 住所:京都市東山区八坂通下河原東入八坂上町374 時間:10:00~18:00 定休日:月曜日、火曜日 ※サロンのティーメニューは茶葉の種類によって金額が異なる。¥4,200~7,500 (税込・菓子込) BY KANAE HASEGAWA