「元手ナシで資産がつくれる」「退職後の年金になる」…不動産投資ビギナーが最も狙われる「区分マンション投資」の甘い罠【不動産投資のプロが警告】
不動産業者の巧妙なセールストークに乗せられて、「区分マンション投資」に手を出すサラリーマンは少なくありません。失敗しないためには、「儲からない物件は買わない、という選択が大切」と、不動産投資歴15年、家賃収入3億円超えの実績を誇る名取幸二氏と、一般社団法人マネー総合研究所所長の杉田卓哉氏はいいます。著書『不動産投資 絶対にやってはいけない39の落とし穴』より、その理由についてみていきましょう。 【早見表】3,000万円30年返済の住宅ローン…金利差による利息分
有名な販売業者だから安心、とは限らない
不動産投資は、元手なしで資産がつくれる優良な投資だと信じていたら痛い目に遭います。 不動産投資は、銀行ローンを組むことでレバレッジ(少ない元手で大きな融資を受けられる)を効かせられる反面、買う物件選びを間違うと、そのレバレッジが諸刃の剣のようにあなたを襲ってきます。 もちろん数年前には「フルローン」で物件購入金額の100%までを銀行ローンでまかなえる金融機関やエリア、それに物件もありました。しかし、現段階では区分マンション投資を除いて、ほとんどフルローンがなくなりました。 「区分マンション」は、業者側のリスク分散を図る商品 区分マンションは、販売業者が一部の銀行や信販会社などと提携することにより、年収の範囲内で多くの購入者に販売して、業者側のリスク分散を図る商品です。 この手の販売業者は営業マンの巧妙なセールストークで、不動産や不動産投資に無知な素人に、儲からない物件を売り付けます。このため、安易に手を出して失敗し、後悔する人が後を絶ちません。 こうした区分マンションを販売する業者は利益率も大きいため、会社としては順調に成長を続け、上場している企業もあります。そうした会社はさらに宣伝広告にお金を投資して、ブランドイメージを高めたり集客したりしています。 そのため、販売している会社の規模が大きいから、あるいは儲かっているからいい会社と判断するのではなく、「その会社が販売している商品は投資として儲かるのか?」で判断するようにしましょう。 なぜなら、あなたが投資する対象は、その企業の「株式」ではなく「商品」なのですから。