センバツ応援キャラクター・久慈愛さん 父は元セ・新人王、野球に縁
18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会の応援ポスターのキャラクターを務めるモデルの久慈愛さん(17)。父照嘉さん(53)は、東海大甲府で内野手として甲子園に3回出場、その後、阪神でセ・リーグ新人王に選ばれた元プロ野球選手だ。今大会には、山梨県から2年連続6回目の山梨学院が出場するが、ポスターがもたらした縁もあり、ライバル校からも熱いエールが送られる。 【岡田結実さんや小芝風花さんらも…歴代センバツ応援イメージキャラクター】 2022年秋の関東大会を29年ぶりに制した山梨学院。吉田洸二監督が「県、関東の大会を通じて最も厳しい試合」と振り返るのが、県大会準々決勝の東海大甲府戦だ。七回表まで2対5で負けていたが、終盤に逆転し6対5で勝利した。山梨県の高校野球界で、私立の両校は山梨学院は15回、東海大甲府は19回と甲子園への出場回数が多く、ライバル関係にある。 小学4年から高校卒業まで甲府市に住んでいた照嘉さんは、東海大甲府で2年生の夏、3年生の春、夏と3季連続で甲子園に出場。3年春には山梨県勢としてセンバツで初のベスト4に進出した。卒業後は日本石油(当時)に進み、ドラフト2位で阪神に入団。中日でもプレーし、昨年秋まで阪神のコーチを務めた。 東海大甲府野球部の先輩が運営などに携わる「北杜ボーイズ」や「笛吹市石和体協野球塾」で毎年、子どもたちの指導に当たるなど、今も山梨県の野球関係者らとの交流が続いている。 長女愛さんからポスターなどを通じて大会をアピールする「センバツ応援イメージキャラクター」になったと連絡を受けた時は「過去に選ばれた女性が、タレントや女優として活躍していることを後で知り、正直二度びっくりした」と振り返る。ポスターの絵柄は、野球部マネジャーがチームメートの一員として部員に駆け寄る様子をイメージしたものだ。「健康的な娘らしい表情がよく出ている。素の姿そのもの」と目を細める。 昨年春、夏、そして今回と3季連続で甲子園に出場する山梨学院。自身の3季連続甲子園出場の経験とも重ね合わせ、「監督は甲子園慣れしており、勝ち方や選手の育て方をよく知っている。抽選などの運もあるが、山梨県人の一人として勝ちあがって、紫紺の優勝旗を手にしてほしい」と激励した。 東海大甲府野球部で4年先輩に当たる笛吹市石和体協野球塾副塾長の須田浩司さん(57)は久慈さんとは家族ぐるみの付き合いだ。「両校が互いに切磋琢磨(せっさたくま)して山梨県のレベルアップに貢献してもらえればOBとしてうれしい。そのために山梨学院には甲子園で優勝できるよう頑張ってほしい」と話した。【照山哲史】