“インクルーシブイベント”熊本で開催 「みんないっしょに音楽を」
日テレNEWS NNN
誰一人排除せず、障害や国籍、年齢や性別を問わず楽しめるイベントが熊本市で開かれました。会場となったのは意外な場所でした。くまもと県民テレビの取材です。 今月、熊本市のクラブで音楽に身をゆだね、楽しむ人たち。 パフォーマンスをするのは、東京パラリンピックの開会式にも出演した車いすダンサー、かんばらけんたさんです。 この日開かれたのは、障害や年齢にかかわらず、どんな人にも音楽を楽しんでもらおうと企画されたインクルーシブイベント、「ユニクル」。およそ200人が集まりました。 主催したのは、熊本市内でリハビリテーション医として働く田中慎一郎さんです。 一般社団法人ユニバ・田中慎一郎さん 「僕は障害者専門の医者なので、障害がある友達もたくさんいる。友達の中からクラブに行きたくても行けないという声をたくさんいただいた」 会場は音響の整った一般的なクラブ。医療や福祉のスタッフをそろえ、介助が必要な場合は周りの人もサポートします。 障害がある人と楽しく交流できる機会にしようと、子どもも一緒に参加できる空間を作りました。遅くならないよう午後8時まで、ノンアルコールで禁煙のイベントです。 トークセッションにはこんな人も。 「どうも~お笑い界初の寝たきり芸人のあそどっぐです」 合志市で暮らす、自称・お笑い界初の寝たきり芸人あそどっぐさん。 全身の筋力が低下する脊髄性筋萎縮症で左手の親指しか自力で動かせないものの、お笑いライブの出演やユーチューブ配信など精力的に活動しています。 ――(お笑いをやっていて)マイナスなことを言われたりは? あそどっぐさん 「多いです」「やっぱり気持ち悪いとか『税金で生きているのに出てくるな』など。でも一番傷つくのは『鼻の穴でかい』。これが一番傷つくから言わないでね」 ――クラブに来るのは? 「初めてです。ちょっとドキドキしていました」 「きょうで慣れちゃったので、また来てみようかなと思います」 イベント参加者 「近くに障害者の方がいらっしゃらない方もこうして触れ合うことでフラットになる。これを続けていきたいなと思いました」 一般社団法人ユニバ・田中慎一郎さん 「みんなの考え方や意識が変わって、それが仲間に発展してコミュニティに発展していくといいなと」 「熊本だけでなく、全国のクラブでこのようなイベントをできたらいいんじゃないかと思います」 障害や性別、年齢で排除しない、どんな人も包み込む優しい空間へ。 これからのイベントの描く当たり前の姿です。