在日Jリーガーが語る北朝鮮代表の素顔 「これだけは言いたい」…“一面”だけでは見えない同胞の温かさ【独占インタビュー】
北朝鮮A代表デビューを果たした文仁柱の印象に残った選手は前田大然と上田綺世
J3・FC岐阜に所属する在日コリアンのMF文仁柱(ムン・インジュ)は、3月21日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の日本代表対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の一戦で北朝鮮A代表デビューを果たした。唯一の“国外組”として参加したなか、「これだけは言わせてください」と北朝鮮代表に対する印象への思いを口にした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全2回の2回目) 【動画】日本戦スタンドで「瞳を捉えた」 北朝鮮の女性ファン美貌に注目「とても美しい」 ◇ ◇ ◇ 2020年にタイで開催されたU-23アジアカップでU-23北朝鮮代表を経験した文仁柱はその後、2022年にJ3のガイナーレ鳥取でプロキャリアをスタート。2シーズンを過ごしたのち、今年から岐阜にプレーの場を移した。 新天地・岐阜でのキャンプ期間、中国で行われた北朝鮮のA代表合宿(1月29日~2月5日)に初参加。事実上の“テスト”をクリアし、3月21日、26日の北中米W杯アジア2次予選の日本戦に向けたメンバー24人に唯一の“国外組”として選出。国立競技場での第3節において、0-1とビハインドの後半38分にDFキム・ポンヒョク(黎明体育団)に代わって左サイドバックに入り、念願の北朝鮮A代表デビューを飾った。 「自分は日本で生まれて、日本で育っているので、日本代表を観てきました。例えば久保建英選手(レアル・ソシエダ)とか、遠藤航選手(リバプール)といった(世界の)トップレベルでやっている選手たちがいるチームとの対戦はすごく興奮したし、高ぶりました。非常に有意義な時間だったと思います」 アディショナルタイム4分を含めたピッチ上での11分間は押し込まれて難しさが伴うプレーとなったが、FIFAランキングでアジア1位(全体18位)の日本代表を目の前にし、大いに刺激があったという。 「ベンチから試合を見ていて、前田大然選手(セルティック)は元々足が速いのは分かっていましたけど、実際に見てみるともっと速かったし、ディフェンス面においてもプレッシャーの強度とか凄くて、J3にはなかなかいない。上田綺世選手(フェイエノールト)の身体の使い方とか上手いなと思いました。試合終了後には、遠藤航選手が近くにいたので『ありがとうございました』と挨拶をしに行ったら、向こうも『頑張って』みたいな感じで声をかけてくれました」