<ボクシング>敗れたタイ人が「和氣は亀田より強い」
これまで3度、世界戦の話が舞い込んだが、実現には至らなかった。WBA同級王者、スコッド・クイッグ戦、統一王者、ギレルモ・リゴンドー戦、WBC同級王者のレオ・サンタクルス戦……。だが、今回は、舞い込んだ話ではなく、IBFのオフィシャルをわざわざ招いた上での挑戦者決定戦を勝ったのだ。和氣が「自分でつかんだチャンス」に「明日から練習する」と、モチベーションを高める気持ちもよくわかる。 チャンピオンのフランプトンは、20戦(14KO)無敗で、あの最強「リゴンドーに勝てる」と、評判のハードパンチャーである。その右は、煉瓦の拳の異名を持つ。長谷川穂積が、敗れたキコ・マルチネスと2度激闘を演じて破っている。アメリカの大物プロモーターのマット・ヘイモンが、わざわざ契約したほどの逸材で、7月のアメリカでのアレハンドロ・ゴンザレス・ジュニアとの防衛戦も負ける要素が見えない。 それでも和氣は「確かにパンチはある。こちらは距離を意識して向かっていきたい。スピードで翻弄して仕留めるイメージを持っている」と強気だ。 サウスポーの利点を活かしたスピード勝負に活路を見出すしかないが、辛口の古口会長は「今日のような試合をしていたらまず勝てません。まだまだ甘さが抜けない」と手厳しい。相手は評判の名チャンピオン。そのチャンピオンを敵地で敗りベルトを巻けば、リーゼントボクサーは、歴史に名を残すことになる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)