自民党総裁選を終えて健闘をたたえ合う上川陽子外相（前列右から2人目）や石破茂新総裁（同4人目）ら＝27日午後、東京・永田町の党本部

　自民党の総裁選で27日に石破茂元幹事長が選出されたことを受け、静岡県民の間には期待感と冷静な受け止めが交錯した。同党の派閥裏金事件を踏まえて、9人が出馬した総裁選での論戦に批判的な声も聞かれた。 　石破氏について「淡々と落ち着いて話す様子や人となりを見て、親近感を得てにわかに応援していた」と話すのは静岡市葵区のデザイナー鳥居麻子さん（41）。「災害や物価高騰で大変な状況だが、スピード感を持って頑張ってほしい」と期待した。同市清水区の自営業の男性（57）も「現実的な政策を挙げている」と評価した。 　一方で、吉田町の無職男性（73）は「言うことがいつも曖昧なので本当に首相が務まるのか」といぶかった。 　決選投票に残った高市早苗経済安全保障担当相を評価していたという同市駿河区のパート女性（68）は「女性目線の新しい政治を期待していたのに」と落胆。上川陽子外相（衆院静岡1区）の論戦に関しては「実行力、決断力があるのは分かったが、具体的に何をするのかがはっきりしなかった」と受け止めた。 　総裁選や新総裁の石破氏にそもそも興味がないという県民も。富士市の自営業斉藤公視さん（48）は「自民党を支持していないのであまり関心がない。裏金問題など、お金の使い方が気に入らない」と突き放した。静岡市駿河区の会社員松下昌弘さん（42）は「刷新感や新しさを期待していたが、今回の総裁選では感じられなかった」と残念がった。