500円ガンプラが“ガラス製”に仰天チェンジ…凄腕モデラーの“塗装マジック”は地道な鍛錬の賜物「1年以上、ガラスを観察し続けた」
ガンプラモデラーが手がける“塗装”の進化は、特にここ数年著しい。キャンディ塗装やウェザリングはもちろん、三次元を二次元に変えてしまうアニメ塗から派生して、イラスト風、箱絵風、水彩画風などさまざまな表現が生まれている。さまざまなコンテストで受賞歴のある実力派モデラーのリューノさん(@ryunogarage)は、ガンプラを使って「ガラス塗装」にチャレンジ。まるでクリスタル製のトロフィーのような作品を生み出し、2.8万いいねを獲得した。本作制作の背景と苦労を聞いた。 【写真】「透けてないよね?」どんな技術でガラス仕様に? 「EGストライクガンダム」衝撃のビフォーアフター
■500円ガンプラ使用は“苦肉の策”「コンテストに使用できるキットに制約があったため」
――「落として腕が壊れたガラス製EGストライクガンダム」に、多くの賞賛が寄せられました。この反響をどのように受け止めていますか? 【リューノ】僕個人としてこれほどのリアクション、反響を頂けるのは初めてだったので本当に感謝しております。透けて見えるような意図で制作しても、皆さんにはどう映るのかは分かりませんでしたので純粋に「透けている」という言葉はうれしかったですね。海外の方からもコメントをいただき、影ながら努力したのは無駄でなかった…と実感出来ました。 また、最初に投稿したのが4月1日だったため、本当のガラス製品だと信じた方が心配してくれたり、励ましのコメントをくれたことにも感謝しております。エイプリルフールの“ネタ”で申し訳ない気持ちにもなりました。 ――500円で購入可能な袋パッケージのEG(エントリーグレード)をベースにしたと伺いました。なぜEGをベースにされたのですか? 【リューノ】本作を制作したのが、2022年2月だったのですが、その年の春に開催されたコンテストが使用できるキットに制約があり、それに対応するキットとしてこれを選びました。その当時はガンプラが入手し入手しづらい状況で、店頭でも唯一と言って良いほど多く並んでいたEGのキットで何とか作品を仕上げたいと思いました。 ――苦肉の策から大作が誕生したんですね。そもそもガラス塗装はどのように着想したのですか? 【リューノ】ガンプラにはクリアキットと呼ばれる透明のプラ素材が使われたキットがあります。ただ、プラモの構造上クリアキットは完全に透明にはならず組み立てる際のピンとかが透けて見えてしまうのです。それならば、「完全に透明に見えるような塗装を行った方が綺麗に見えるのでは?」と、無謀にも考えたことが着想した理由の一つです。透かす対象としてカッターマットを選んだのは、この作品を見るモデラーさんにとって身近なアイテムだというところ。そして、一定に刻まれているグリッド線が透明感を表すのに良さそうと思ったことです。