UBSなどスイス金融機関、バーゼル3トレーディング規則延期を模索
(ブルームバーグ): UBSグループをはじめとするスイスの銀行は政府に対し、トレーディング事業に関する国際資本規制の施行先送りを求めている。欧州連合(EU)の延期決定を受け、自分たちが不利になる事態を避ける狙いがある。
スイスは施行日を延期するかどうかを7月末までに決定する予定。一部の国内金融機関は先送りを支持しており、UBSも延期なしでは2025年1月に適用を義務付けられる少数の主要グローバル銀行の一つになると主張している。こうしたやり取りの非公開を理由に複数の関係者が匿名で語った。
スイスでシステム上重要な銀行に指定されている金融機関はUBSの他にライファイゼン・グループとチューリヒ州立銀行(ZKB)、ポストファイナンスがあるが、国際的な存在感はUBSをはるかに下回る。
EU当局は銀行資本規制「バーゼル3」最終化の一環として来年1月1日にこの規制を導入する予定だった。だが米国が適用する時期やそのあり方を巡る不透明性を踏まえ、EUは既にトレーディング記録に関する新基準適用を1年遅らせる方針だ。この事業がグローバルな性質を持つためだ。
「バーゼル3」最終化、EUが実施を1年延期へ-関係者 (2)
ただ一部の関係者によれば、スイスの銀行監督機関である連邦金融市場監督機構(FINMA)は昨年のクレディ・スイス破綻を受けて大規模な規制見直しを進める中、延期に消極的だ。最終的には政府が決定し、政治的配慮が影響する見通しという。
UBS、FINMA、スイスにおけるバーゼル3を統括する国際金融事務局(SIF)の担当者はコメントを控えた。
原題:UBS Among Swiss Banks Seeking Delay of Capital Rules on Trading(抜粋)
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Myriam Balezou, Nicholas Comfort, Bastian Benrath, Laura Noonan