介護と仕事の両立を経て60歳でライフスタイルショップを団地にオープンするまで
植物と古本で地域の活性化を目指した、フラワーデザイナーの挑戦(たかはしさわこさん・62歳)
60歳でライフスタイルショップをオープンしたフラワーデザイナーのたかはしさわこさん。親の介護と仕事の両立、そして団地のプロジェクトに参画し、セカンドステージに歩み出した経緯について伺いました。 【写真7枚】こだわりの青い壁がお店のキーカラー!たかはしさんのこだわりが詰まったお店を写真でじっくり見る! ──6年の介護ののち、お母様が64歳で亡くなられました。そのころからお仕事も忙しくなってきたのでしょうか? たかはし:教室は常に新しい生徒さんが入らないと、先細りする。でも相模原は人口が流入してくる地域ではない。クライアントの仕事をもっと増やしたいと思っていました。 すでに都内で3か所、定期的にディスプレイ用の花の注文を受けていたので、40代も後半になってきてここは一つ都内に拠点を持とうか、と。 赤坂、神宮前、骨董通り、中目黒と場所を移転しながら、2010年くらいから約10年間、都内に教室兼作業場兼住居を持ちました。当時は相模原と行ったり来たりの生活をしていました。 この時にいろんな人と出会ったことが大きかったです。コーディネートの仕事に繋がりましたし、自分の可能性がどんどん広がりました。 ただ、途中から父の様子がおかしくなってきて……。認知症の初期症状のまだらボケが始まったんです。人とはまともに話すし、徘徊するわけでもないので公的なサポートは受けられない。だけど昼間は一人にすると不安なので、相模原に留まることが多くなりました。 フラワーデザインの仕事はクライアントの都合で動くことが多いから、都内にいないと仕事の注文も入らなくなってくる。このままじゃダメだなと思っていたら、コロナ禍になって……父の介護もあるので、都内の拠点を引き払って、相模原で腰を据えて仕事をすることにしました。 ──それでこちらにお店を持たれたんですね。 たかはし:店の隣にあるカフェのオーナーさんが私の教室の生徒さんで、「グリーラウンジ・プロジェクトの募集が始まるから、応募すれば?」と声をかけてくれたんです。 彼女の店はこのプロジェクトの1号店。教室兼作業場という拠点が確保できるし、また何か新しいことに挑戦したいなと思っていた時だったので、応募しました。