「ゴーグルブロッカー」爆誕の秘密とは バレー女子日本代表の新たな〝壁〟荒木彩花、五輪2大会出場・石井優希さんが語るすごさ
バレーボール女子元代表インタビュー~石井優希さん7月編
パリ五輪で3大会ぶりのメダル獲得を目指すバレーボール女子日本代表12人が発表され、SAGA久光スプリングスから大型ミドルブロッカーの荒木彩花(22)が選出された。2016年リオデジャネイロ、21年東京と2度五輪に出場した石井優希さん(33)が、184センチの長身で「ニッポンの壁」として期待されるチームの後輩のすごさを語った。 (聞き手・構成=西口憲一) ■【写真】得点を決めて喜ぶ「ゴーグルブロッカー」荒木彩花 ―度重なる故障を乗り越え、今年のネーションズリーグでも堂々としたプレーで代表を引っ張った。 「昨年のネーションズリーグで(右足首の)けがをして、最後まで代表メンバーに残れなかった悔しさがバネになっているようです。(今春の代表活動スタート時から)昨年とは全く違いました。持ち味のブロックで毎試合ポイントを挙げていたのが高い評価につながったと思います」
手出しがきれい、跳んだ後にグッとつかみにいく
―攻撃の引き出しが増え、精度も高まった。 「ライト側へ開いてスパイクを打てるのも強みです。ラリー中もしつこく攻撃に参加しています。縦のB(クイック)も普通に打つだけでなく、タイミングや相手の動きを見て、プッシュで押し込むなど臨機応変なプレーができています。ただ、ネーションズリーグでは先発しても毎試合のように途中交代していました。本人は現状に満足していないはずです。むしろ悔しさを抱えているのではないでしょうか」 ―184センチの長身で相手に重圧をかけられる。 「あのブロック力は脅威でしょう。オフェンスに関しては、もっと打数を増やしてほしいですね。その意味では、まだ完全に伸び伸びとプレーできているとは言えないかもしれません」 ―高くて力強いブロックは日本の強み。 「手出し(ネットから上の手の形)がきれいで、跳んだ後にグッとつかみにいくので、(ボールが)真下に落ちやすい。ブロックポイントになりやすいような跳び方ができています。ネットとの距離やポジショニングも良くて、隣のブロッカーとの意思疎通もできている。だからこそ、手出しで駆け引きをしながら、前に(手を)出せるんです」 ―右足首の負傷に続き、年明けに左手を骨折。昨季のVリーグでは10試合、5セットしかコートに立てず、当初は実戦経験の少なさが懸念された。 「リーグでほとんど(試合に)出ていなかったにもかかわらず、よくここまで試合勘を取り戻しました。一方で攻撃やスパイクについては、まだドンピシャ(のタイミング)ではないと思います」