不法移民送還に土地を提供 テキサス州が新政権に申し出
オースチン、テキサス州、11月21日 (AP) ― トランプ次期米大統領が掲げる不法移民の大量強制送還に役立てばと、テキサス州がメキシコとの国境沿いの広大な土地を中継地として提供している。 リオグランデ渓谷のスター郡にある土地は、テキサス州が10月に購入。共和党のドーン・バッキンガム土地弁務官は11月14日、トランプ次期大統領に書簡を送り、この申し出を伝えた。 1400エーカーの土地には舗装道路はなく、スター郡には公立の病院が1軒しかなく、地域資源も限られている。 この土地の提供は、米国に不法滞在する移民を大量に強制送還するというトランプ次期大統領の計画を支持するのか、それとも反対するのかについて、州と地方自治体の間に鋭い溝があることを示す最新の例である。 ちなみに、ロサンゼルス市議会は19日、強制送還を実行する連邦移民当局との協力を制限、移民を保護する「聖域都市」条例を可決した。 テキサス州共和党は、カミソリの歯が付いた鉄条網を設置、昨年は法執行機関に不法に国境を越えた移民の逮捕を可能にする法律を成立させるなど、国境での積極的な越境抑制対策を長年支持してきた。 トランプ次期大統領は、就任初日から強制送還を開始する予定だと述べている。また、次期大統領は選挙期間中から、不法移民をたびたび攻撃し、無許可の国境通過の記録的急増を、麻薬密売から住宅価格の高騰にいたるまで、さまざまな問題に結びつけてきた。 米国には推定1100万人が不法入国している。 不法移民をどのように識別し、どこに拘留するかについては疑問が残る。 (日本語翻訳・編集 アフロ)