「お菓子のホームラン王」王貞治の名セリフのきっかけ トレードマークはメガネ 川上哲治に並ぶ満弾6発男
創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第35回は国松彰。 * * * 国松彰はメガネがトレードマークでONの脇を固めた巧打者だった。 1934年9月14日、京都府出身。西京高から同大では投手。2年で中退し、55年に入団。同期にプロレスラーとなる馬場正平がいた。 1年目の10月、初先発を果たすが結果を残せず、3年目となる57年、外野手に転向。59年から1軍に定着し、主に右翼を守った。 俊足強肩を生かし、60年9月から中堅に入って初の規定打席に到達。一塁を守ることもあったが、外野守備で11の補殺を記録した。勝負強い打撃も売りで、67年の阪急との日本シリーズ第5戦では2打席連続アーチ。通算本塁打数は93本ながら、金田正一から打ったものを含め満塁本塁打は6本。川上哲治と並ぶ数字だ。 16年間の現役生活で70年に引退するが、その後は川上時代の71~73年、長嶋政権の76~79年に打撃コーチ、王監督の時の86~88年にはヘッドコーチと多くの監督に仕え、2軍監督も2期で7年間務めた。その後、フロント入りもした。 亀屋万年堂の創業者の娘と結婚。その縁で王がCM出演した。「ナボナはお菓子のホームラン王です」というセリフは有名だった。
報知新聞社