「波乱の港区長選」「沈黙の小池都知事」…一体、東京で何が起きている? 専門家が分析する「セオリーと心理」
現職が無所属の新人に敗れたことで話題になった東京・港区長選、そして、いまだ立候補を表明していない小池都知事。今、東京都と政界に何が起きているのか? 日本大学危機管理学部教授/東京工業大学特任教授の西田亮介氏に聞いた。 【映像】なぜ小池都知事は立候補を表明しないのか? ━━2日に投開票された東京・港区長選で、無所属新人の清家愛氏が自民・公明両党が推薦した現職・武井雅昭氏を破り初当選した要因は? 「『国政の影響』と『多選批判』などが挙げられる。前者については最近の地方選挙、先の衆院3補選の出口調査、週末に行われた世論調査などの結果を見ても自民党に対する否定的な認識はとても強く、通常の投票行動を変えているようだ。後者は当選をして期を務めた首長に対して『長くやりすぎなのでは』と言われがち、というものだ。両者に加えて、良くも悪くも“高齢の男性”に対しても否定的な意見が集まりがちであり、裏を返せば比較的若手の女性候補者が選挙において優勢であることも作用しているのではないか。これら全てが重なってギリギリの勝利という結果になった印象を持っている。ちなみに、2020年の港区長選では、男性候補者ばかりの中、当時の現職(武井氏)の圧勝だった」 ━━来月7日に投開票を予定している東京都知事選において、現職の小池都知事がまだ立候補を表明していないのはなぜか? 「前提として、過去の東京都知事選を見ると現職がとても強く、現職が退くという場合を除いて新人が当選したことはない。とはいえ、小池都知事はもとより国政への意欲を持ち、女性初の総理大臣候補としても常に名前があがっているため、自民党とも接触しながら多様な選択肢を検討しているといわれている。また、選挙のセオリーでは『1番最初』かあるいは『1番最後』に名乗りをあげるのが最も有利とされているため、ある種“横綱相撲”をとりながら、自分にとって最も有利なオプションを探しているのではないか」 (『ABEMAヒルズ』より)
ABEMA TIMES編集部