号砲を受けてコースに繰り出すランナーたち（30㌔）

　第52回釧路湿原マラソン（釧路市など主催）が28日、北海道の釧路市民陸上競技場を発着とする特設コースで開かれた。釧路市内を中心に、道内外やアメリカ、イギリスなど海外からの参加もあり、総勢2505人が出走。小雨が降りしきる中、ランナーたちは湿原の風を浴びながら冷涼な釧路を駆け抜けた。 　同マラソンは、1973年から毎年7月の最終日曜日に固定して開催。2年前の50回大会は釧路市中心部の最高気温が33・5度の真夏日、昨年の51回大会も26・6度の夏日になるまで気温が上昇したが、今年は19・7度と、売り文句通りの冷涼な気候となった。出走者数は前年と比べて87人減少した。競技は午前6時の30㌔ウオークから開始。同8時30分からは10㌔、30㌔、3㌔、15㌔ウオークの順に号砲が鳴った。 　30㌔を全体1位の記録となる1時間41分11秒で走破した松岡直希さん（43）は、三重県伊勢市から参戦した。教員などをやっていたが、2年前からプロランナーに転向。ハーフマラソンマスターズの元日本記録保持者でもある。「9月にシドニーで行われる（マラソンの）年齢別世界選手権の最後の実戦練習として初めて出場した。比較的平坦だったし、大自然の中を走れて優勝もできた。一生の思い出になった」と笑顔を見せ「世界選手権では世界一を目指す」と意気込みを示した。 　今回のゲストランナーは28日まで、釧路で合宿中の実業団「小森コーポレーション陸上競技部」の選手たち。10㌔と30㌔に出場し、大会を盛り上げた。初めて同マラソンの10㌔を走った金森寛人主将（29）は「スタート前は寒いくらいだったが、走るとちょうどよくなって、最高のコンディションだった。給水所で応援ももらえて、すごく力になった」と話していた。 　11年から参加していた川内優輝選手（あいおいニッセイ同和損害保険）は、パリ五輪マラソン競技の補欠に選出されているため、今大会への出場はかなわなかった。