【漫画家に聞く】俳優だった姉を偲んで、妹がとった行動とは? 『幽霊が視える葬儀屋さん』が泣けると話題
遺族からも幽霊からも依頼を受ける葬儀屋を主人公にしたSNS漫画『幽霊が視える葬儀屋さん』が話題だ。X(旧Twitter)では1ポスト目から13万いいね以上、賛辞のリプライと引用リポストも多数集めている。 本作の制作は、作者・吉良いと(@kilightit)さんの漫画家人生にとって、大きな転機となったそうだ。現世とあの世のクライアントを仲介する、ミステリアスかつ美しいストーリーが生まれた背景に迫ろう。 ――反響を受けていかがですか? 吉良いと(以下、吉良):「まさかここまで広がるとは…」と驚きました。まだ当時は会社員でしたが、漫画を描いていることを知っていた同僚からの「お前の漫画バズってるぞ」という連絡で知りました。本格的に漫画家を目指す後押しとなった出来事です。 ――制作のきっかけを教えてください。 吉良:幼少期から漫画家は憧れでしたが、特に作品を完成させることもなく会社員をしていました。しかしアラサーになり、夢にもう一度だけ挑戦したくてストーリー漫画を完成させました。それが『ようこそ亡霊葬儀屋さん』なんです。本作のおかげで、今は漫画家として生活できています。 ――ストーリーの着想はどこから? 吉良:「葬儀屋さん」という、死に近い職業の人がもし幽霊が見えたら。ふとした考えから本作が始まりました。遺族の方から葬儀の依頼が来る、しかし実は幽霊の依頼も受けている。それはありえないけど、ありえたら面白いかもしれない……と。 「亡くなった姉のメイクをする妹」は、姉が俳優として大事にしていた顔を妹に初めて任せることによって、独り立ちを表現したかったのかもしれません。
小池直也