高配当株でよくある質問「年代別のおすすめポートフォリオは?」→答え「何歳であっても同じでよい」…その理由とは【マネックス証券チーフ・ストラテジストが解説】
高配当利回り銘柄と連続増配銘柄の比率
年代別の違いを強いて挙げるのであれば、高配当利回り銘柄と連続増配銘柄の比率でしょう。連続増配銘柄はバリュー銘柄というよりも、グロース銘柄の色合いが濃いので、たとえば長期的な資産形成をする段階、つまり比較的年齢の若いうちは連続増配銘柄に比重を置いたポートフォリオにするのもいいでしょう。 たとえば連続増配銘柄を6割、高配当利回り銘柄を4割にするとか、もう少し成長性を取りたいのであれば、連続増配銘柄を7割、高配当利回り銘柄を3割という資産配分でポートフォリオを組んでも良いでしょう。これがシニア世代であれば、高配当利回り銘柄を8割から9割くらいまで高めて運用します[図表1]。 それと、これも繰り返しになりますが、若い世代とシニア世代の運用スタイルの違いという点について申し上げるとしたら、若い世代は受け取った配当を必ず再投資すること。間違っても、豪華なディナーなどに使ってはいけません。 対してシニア世代は、生活費の一部に充当するために高配当利回り銘柄を保有するのですから、自由にお使いになれば良いでしょう。
株主優待にもそれなりに意義がある
最後に、配当は株主還元のために行われるものですが、株主還元という点では「株主優待」に注目して投資する人も少なくありません。 株主優待とは、株主に、自分たちがどのような製品・サービスを提供しているのかを深く知ってもらうために、製品やサービスを割安の価格で利用できる権利を提供するものです。一時期、と言うか今もそうだと思うのですが、個人投資家の中には株主優待欲しさで銘柄を選んでいる人も、少なからずいます。 ただ、株主優待は資産形成という観点から見ると、とらえ方が難しいです。金銭ではないので、再投資ができません。 ただ、頻繁に投資先企業の製品やサービスを購入する方であれば、金銭的支出の代替となって、株主優待で浮いた分のお金を投資に回すことで、実質的に金銭価値を受けられる、と考えることもできるでしょう。 たとえば飛行機の株主優待券やオリエンタルランドが提供している、ディズニーランドの優待パスポートなどが分かりやすいものです。株主優待の価値そのものではなく、株主優待を行っている企業への投資という観点からは、別のメリットもあるようです。 根津アジア・キャピタル・リミテッドの創設者兼マネージングパートナーであるデイビッド・スノーディーさんの分析によると、株主優待を行っている企業のボラティリティは低いという特徴が認められるといいます。株主優待にもそれなりの意義があると言えるでしょう。 広木 隆 マネックス証券 チーフ・ストラテジスト ※本記事は『利回り5%配当生活』(かんき出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
広木 隆
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