【警鐘】児童マンション転落死事故「踏み台」がなくても3歳児の65.7%が120cmの柵を30秒で乗り越えていく
3歳の女の子がタワーマンションから転落し死亡した事故。「一歩違えば、わが家だったかもしれない…」そう思いつつ何も対策をしていない無防備なベランダに目をやった。事故が起こる前に、今できることを考える。 【画像】3歳の女の子が転落して死亡した53階建てタワーマンションのベランダ
持ち出した踏み台の高さは40センチ
住民: 驚きとショックで…。できる限り気を付けられるところを、改めて気を付けないといけないなと思いました 4月16日夕方、広島市中区東千田町の53階建ての高層マンションで、20階から30階に住んでいた3歳の女の子が敷地内の植え込みで倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された。 当時、女の子は1人で部屋にいたとみられ、ベランダには踏み台が置かれていたということだ。ベランダの手すりには女の子が触ったとみられる跡が残っていて、女の子が部屋から踏み台を持ち出し、約135センチのベランダの手すりを誤って乗り越え、転落したとみられている。女の子の身長は103センチで、女の子が使ったとみられる踏み台の高さは、約40センチだったことがわかった。
「事故はいつ起きてもおかしくない」
後を絶たない子どもの転落事故。消費者庁によると転落事故は、夏ごろから秋にかけて増加。年齢は3~4歳が最も多いということだ。 子どもの事故防止を研究する専門家は、どの家庭でも起こりうると警鐘を鳴らす。 セーブキッズジャパン・北村光司 理事: 今回のような事故があったとき、「親が見ていなかったから悪いんでしょ」とか「その子がやりがちな子だったんじゃないか」、「うちの子はそういうことしないから大丈夫」などと思ってしまいがちです。実際はそうではなく、事故はいつ起きてもおかしくないと思っていただいて、環境面でいかに対策をするか 消費者庁による「建物からの転落死亡事故発生件数」のデータによると、2016年から2020年の4年間で20件、そのうち0~4歳の事故が14件起きている。 政府は「政府広報オンライン」で保護者に向けて注意喚起を続けてきた。オンラインの動画には、今回の事件と同じように「踏み台」にのってベランダの手すりに手をかける女の子の様子が撮影されている。 また、もたれかかった“網戸”が破れて転落するケースにも注意が必要。それらを映像化して発信することで、政府は注意を呼びかけている。