『ギークス』刑事ドラマながらまさかの幽霊オチに驚き 滝沢カレンの陰のある演技にも注目
滝沢カレン演じる基山の家族思いな一面も
川尻には病気の息子・悠斗がいた。息子の治療費を工面するため、川尻は戸籍を売却。そして得たお金を匿名で寄付していたという。また、悠斗の回復を願って「タバコをやめる」と約束していたが、果たされないまま悠斗は他界。川尻の心には、息子との約束を果たせなかった悔いが深く刻まれていた。 絶望した川尻は、うさぎ好きだった悠斗への思いを込め、小学校のうさぎ小屋に手紙を置いた。そして、自ら命を絶とうと飛び降りを図ったのだった。驚くべきことに、基山はすでに1年前に亡くなったはずの川尻の息子の幽霊に遭遇していたという。 この展開は、ドラマ前半で語られていた「心霊現象を信じる者ほど幽霊が見えやすい」という伏線を見事に回収していたものの、刑事ドラマでありながら、幽霊の存在を認めるという奇抜なオチは、視聴者に驚きを与えたに違いない。刑事ものならではのシリアスさに引きずられず、構えずに“ゆるっと”視聴できる雰囲気も、本作の魅力の一つだろう。 滝沢カレン演じる基山の、家族思いな一面も描かれた第3話。22歳の妹と高校生の弟の面倒を見る場面が印象的だったことに加え、自殺寸前だった川尻に息子の話をして諭したのも彼女だった。しかし、たまに帰ってきては通帳やお金を持ち出す父・和文(阿南健治)の存在もあり、その家庭事情はなかなかハードそうな一面もある。 タレントとしての活動や『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)での独特なキャラの印象も強い滝沢カレンが、基山のやや陰のありそうな部分を、今後どう演じていくのかは見どころだろう。 第4話では、なぜか西条にグイグイくる隣人・安達順平(白洲迅)が何者なのかという点について、何やら動きがありそうだ。その正体や目的はまだベールに包まれているが、表面的には悪い人に見えないからこそ、怪しさもある。また、次回はコンプラ担当警部・山田(遼河はるひ)も登場するようだ。ドタバタと新たな盛り上がりを見せそうな第4話でも、西条たち3人は、アイデンティティになりつつある“定時帰り”を守り抜いていけるのだろうか。
すなくじら