玉城ティナ&飯豊まりえ「人類最大の課題は“人間関係”」
出演してみて気づいた、人類最大の課題は“人間関係”
©HJホールディングス ーー大ヒット作の「君と世界が終わる日に(以降、きみセカ)」が、ついに完結編となるSeason5までやってきました! 混迷を極める現代社会にも共通する課題を多く抱える本作。共演した感想についてもお伺いしたいです。 まりえ:Season1から登場している佳奈恵がまさかここまで生き残るなんて。放浪グループのメンバーとして響と一緒に行動してきましたが、佳奈恵は何か特別な力を持っているわけではないですし、集団行動も苦手で、人とぶつかり合ってばかり。自分のことしか考えられないような大学生だったのに、終末世界の中で誰かのためを思って戦える強い女性に成長するとは、「人って本当に変わるんだな……」と、撮影に臨んだ4年間を今しみじみと振り返っています。 ティナ:私はSeason4から参加をしました。明日葉は、こういう殺伐とした世界では珍しく、清い心を持ち続ける強い人。でも彼女がいたからこそ、響も何かを感じ取って戦線を離脱し、新たな道を模索するきっかけになったと思うので、Season5で一段と成長した明日葉を演じられるのはとてもうれしいです。
©HJホールディングス ーーゴーレムウイルスの蔓延、生き残ってもなお争いや殺し合いを止められない人類。現代社会が抱える問題の数々と非常にリンクする作品に思え、とても考えさせられます。 まりえ:Season1の撮影がスタートした時期はちょうど新型コロナウイルス感染症のパンデミックの第一段階。世界中があちこちロックダウンして、リモート化が進みました。撮影現場ではフェイスシールドの着用や抗原検査など、感染予防対策を厳しく行いながら進行せざるをえません。そういう意味では、チャレンジングなムードが漂う現場だったかもしれないです。 ティナ:私はステイホーム中に、ご飯を食べながら「きみセカ」のSeason1や、当時アメリカで人気だった『ウォーキング・デッド』を観ていたんです。その時は「きみセカ」の続編が制作されることも知らず、ましてや将来自分が出演するなんて夢にも思わず、無邪気なテンションで観ていました。まさか3年後に、こうやってまりえとに一緒に取材まで受けているとは。 まりえ:撮影がいつ止まるかもわからないパンデミックの状況の中でも、チームのみなさんの努力でSeason5まで続けられたことが素直にうれしいです。 本作はあくまでファンタジーですが、意図せずいつの間にか世界情勢とすごく重なる部分をたくさん含む作品になったと思います。たとえば、ウイルスの蔓延やワクチンの有効性。特にSeason1~2では、私たち全員が「ワクチンは本当に人類を救うのか?」という問題に翻弄されます。観られる方によっては、現実と作品の世界がリンクするような感覚があるかもしれませんね。 ティナ:でも「ファンタジーはあくまでファンタジー」と割り切って一定の距離感をキープしながらエンタメ作品として観ながら、思考をめぐらせられるのが私たち人間のいいところでもありますよね。今は現実が混沌としすぎているから、リンクさせちゃうと、どうしてもヘビーに感じられる部分もあるとは思いますが。 まりえ:政治・宗教・医療など、シーズンを重ねるごとに問題のステージがどんどん変化していくのが「きみセカ」の大きな見どころだと思います。どれも本当に難しいテーマですけれど、本作に出演することで表現の一端を担えたので、私にとっても意義のある挑戦になった気がします。 Season5で登場人物がもれなくぶち当たる最大の難題が“人間関係”です。「“正義”であるといわれている人の裏の真実の顔は、いったいどうなのか?」と疑心暗鬼になって葛藤し、争いや殺し合いを引き起こしてしまう。クリーンな人間関係を求めてしまうけれど、それはとても難しいことなんだと気づかされました。