「ウクライナの穀物」で東アフリカの「飢餓」を救うゼレンスキー構想の重要性
11月26日、食糧安全保障国際サミットで「ウクライナからの穀物イニシアチブ」を宣言したゼレンスキー・ウクライナ大統領[ウクライナ大統領府公式ウェブサイト www.president.gov.uaより]
東アフリカで、1980年代以降では最悪と言われる旱魃・飢餓が起こっている。ソマリア、エチオピア、ジブチ、ケニアなどで、およそ2200万人が飢餓の状態にあるとされる。国際的な支援が集まっていないわけではないが、事態の改善に十分な注意が払われているとは言えない。 1980年代と言えば、イギリスで始まった著名ミュージシャンが無償で集まったバンド・エイド「Do They Know It’s Christmas?」(1984年)が大反響を呼び、1985年のアメリカのUSA for Africaの「We are the World」の空前のヒット、それらが約150カ国で15億人が視聴したとされる空前の規模のチャリティーコンサート「Live Aid」につながった時代だ。 1985年は、ソ連でミハイル・ゴルバチョフが書記長に就任した年である。為替協調介入を通じたドル防衛が図られたプラザ合意の年でもあり、アメリカを中心とする自由主義陣営の勝利として冷戦が終わっていく形が作られた年だった。
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篠田英朗