クルマから“羽根”が生えて飛行形態に! 真の「空飛ぶクルマ」コンセプトに俄然注目が集まる…CES 2024で発表
米ラスベガスで1月12日まで開催された世界的な家電IT見本市「CES 2024」にて、「空飛ぶクルマ」のコンセプトモデルがお目見えした。 【動画】フライングカーが羽根を展開する動画。一般のクルマのようだが飛行能力を秘める。 本機は、平常時はふつうのクルマとまったく同じスタイルで走行。飛行時にはボディから羽根がせり出す斬新なアイデアで話題をさらっている。 いわゆる空飛ぶクルマとしては本機以外にもすでに、空飛ぶタクシーの試験飛行などのニュースが舞い込んでいる。もっとも、これまでに公開されているモデルとしては、ヘリコプターにドローン状の羽根を多数設けたものなどが主流であり、形状からしてクルマといえるかは微妙なものもある。 そんななか、真の「空飛ぶクルマ」といえるデザインの登場で、俄然注目が集まっている。
クルマから羽根が生える
本機は「XPeng AeroHT eVTOL フライングカー」と呼ばれるコンセプトモデルだ。中国の自動車メーカー「XPengモーターズ」の飛行部門子会社である「XPeng AeroHT」が開発を進めている。中国国外としては今回、初めて披露された。 ブルーとホワイトの近未来的なカラーに彩られたボディは、一見して普通の2シーター車だ。しかし、よく見ると長い全長のわりに後部座席は存在せず、車体リア側の大部分が羽根の格納スペースに割り当てられている。 飛行形態に移行する際にはルーフがせり上がり、出現した隙間から4枚のアームが展開。各アームは2枚羽根の反転プロペラを搭載し、クルマでありながら飛行が可能となる。 今回のCESでは、コンセプトモデルが出展された。さすがに飛行デモは行われなかったが、クルマ形態から羽根がせり出す様子が実演されている。
自然なデザイン、「空を飛ぶとは気付かない」
現地を取材した米テックメディアのCNETは、クルマとして完成度の高いエクステリア・デザインを高く評価。「空飛ぶクルマであることさえ気付かないだろう」と述べている。 問題は実際に飛ぶかだが、実現に至る可能性は十分にありそうだ。AeroHTはすでに、実際の車両にドローン状の巨大な羽根を据え付け、飛行試験に成功している。アームの展開機構の強度を確保できれば、実現への道は遠くないかもしれない。 AeroHTは1月10日、稼働イメージ動画を公開。動画では、クルマから飛行形態へのスムーズな移行が示されている。動画視聴者はやはり、クルマとしての自然な形態に興味を示したようだ。既存モデルとは一線を画すデザインに、肯定的なコメントが集まった。 「半分飛行機で半分クルマのような従来のものとはまったく違うルックス。本当に素晴らしい!」「コンパクトなデザインが好き。これからも頑張って」「買えるようになるのが待ち遠しい!」 AeroHTによると同社は安全性を重視しており、複数のパラシュートによって高度50mから安全に降り立つ非常試験にも成功しているという。