きょうから流通!新紙幣!!
QAB 琉球朝日放送
きょう20年ぶりに新しいデザインのお札、「新紙幣」が発行されました。券売機を置く飲食店や交通機関では新紙幣の読み取りに対応した機種への更新作業が進むなか一部で機器や部品の用意が追いつかず入れ替えが遅れるところも。 物価高で経営が厳しい中、数百万円かかる費用がネックとなり、当面は導入を見送るといった店舗など対応は分かれています。キャッシュレスが進んだ時代になぜ今新紙幣が導入されるのか疑問視の声もあがりました。 きょう新しく発行される紙幣は3種類です。 1万円札は「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)5000円札は女性の地位向上に尽力した津田梅子(つだ・うめこ)1000円札は破傷風治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎(きたさと・しばさぶろう)の肖像がデザインされ偽造防止に向けて最新技術を活用し、肖像の3D画像が回転するように見えるホログラム技術が採用されました。 紙幣のデザインが変わるのは2004年以来、20年ぶりです。
きょう、一万円のデザインに選ばれた渋沢栄一と那覇市の護国寺につながりがありました。1846年から1853年まで琉球に滞在した宣教医のベッテルハイムが住居とした護国寺の入口には1926年5月ベッテルハイム来琉80周年を記念して8年間の活動の拠点となった護国寺に記念碑が建設されました。 渋沢栄一は、米宣教師アール・ブルの依頼を受けてこの事業に協力をしたとされ『伝記資料』には贈呈した記念樹が記念碑付近に植え付けられたことが記されています。 さて、20年ぶりの新紙幣に盛り上がりを見せる中…街では心配する声も― 街録(男性)「新紙幣が対応している範囲がどれだけあるのかわからないのでもし使いたいときに使えないとなると困ると思います」 街録(女性)「コンビニなどいろいろなところで自動でお金のやりとりが増えているからお札が使えるのか」
機械メーカーの団体「日本自動販売システム機械工業会」が行った主要メーカーへの聞き取り調査によると、6月末時点での新紙幣対応見込みは、駐車場の精算機が5割程度、飲料自動販売機は2から3割にとどまり新紙幣がどこでも使えるようになるには、およそ1から2年ほどかかる見込みだとということです。 県内の金融機関で沖縄銀行や琉球銀行、海邦銀行では、全ての店舗にあるATMや両替機などの入れ替え作業を終え各店舗に紙幣が届き準備が整い次第、新紙幣による払い出しや両替が可能になるとしています。 一方で、沖縄都市モノレールは、各駅に1台を新紙幣を導入して車椅子利用者でも新紙幣が使用できるよう通常の券売機よりも低い位置にある券売機を新紙幣の対応としました。 来年6月までに全ての駅の券売機を新紙幣対応にするとしています。路線バスでは、第一産業交通グループの那覇バスと琉球バスは新紙幣対応の両替機の導入が間に合わず今後、順次導入をしていくとしています。 また、沖縄バスと東陽バスの両替機については、新紙幣に対応する両替機を導入したということです。この新紙幣の発行を受けて対応に追われている店もあります。豊見城市で沖縄そば「くくる」や那覇市でラーメン店など2店舗の中田剛(なかだ・ごう)代表です。 混雑時の手間や金銭のトラブルを減らそうと、2店舗では開店時から券売機を導入しています。3年前に発行された新しい500円硬貨の時にも対応を余儀なくされました。今回の新紙幣導入で経費が重くのしかかるといいます。