「離婚で3歳の娘と別れて生活」吉本新喜劇・島田珠代「苦しくてつらくても」舞台に立ち続けた
「ママ~、ママ~」と叫ぶ娘の乗った車がかすんで行って…、と別れの場面を振り返ってくれた島田珠代さん。離婚で娘の親権を手放した葛藤。「家族」でいることのありがたさについて、考えさせられました。(全4回中の3回) 【画像】「離れ離れだった娘」と10年振りに暮らし頬寄せ合う親子写真 ほか(全9枚)
■「泣き叫ぶ娘」を見て身の切れるような思いでした ── 余命5年と宣告されたご主人の希望で離婚。ご主人と3歳の娘さんは名古屋、島田さんは大阪、と離れて暮らすことになりました。娘さんは事態を理解していたのでしょうか?
島田さん:夫が娘を連れて名古屋に行く日、朝9時ごろに車に乗せられた娘は事情を理解していませんでしたが、私はずっと泣いてましたね。でも、荷物をまとめたりする気配で、娘も何が起きるかはなんとなく察していたようです。 車が出発したら、娘が後部座席のガラスにへばりついて、ずっと「ママー!ママー!」って叫んでるんです。あのときのことを思い出すと…もう。 できるなら車を追いかけたかったし、身の切られるような思いでした。車と娘がどんどん遠ざかって小さくなっていくんですよね、ドラマでしか見たことない光景でした。
その日も、新喜劇の舞台がありました。つらくても舞台に出なければならない。しかも、すごく笑わせないといけない役でした。うわー、芸人ってすごい商売だなぁと。 でも、そういうときこそ、すごくウケたりするものですから、本当におかしな、おかしな商売だなぁって思いました。 ── 3歳の娘さんを手放すのは、よほどの覚悟だと思います。 島田さん:母親が子どもを手放すと、世の中は母親に非があると想像するかもしれませんけど、簡単に相手に渡したなんて、思わないでほしいです。
夫は薬のせいなのか、興奮していて、「どうしても娘と別はイヤだ、名古屋に戻りたい」って。これ以上争ってもめるのも…。 向こうに迷惑かけてはいけないですし、いまでも悪く言うつもりはありません。本当にものすごくいろいろあって、私たち親子の場合は別々に暮らすことになりました。