「アムロのガンダムと全然違うじゃん…?」 “連邦の白い悪魔”の知られざる兄弟機たち
■ホバー移動するガンダム? 究極の陸戦仕様とは
続いて紹介するのは「ガンダム6号機(RXー78ー6)」、通称“マドロック”と呼ばれる機体だ。 初出は雑誌企画の「M-MSV」で、その後PS2用ゲームソフト『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』(バンダイ)に登場。プレイヤー側はジオン公国軍の「闇夜のフェンリル隊」を操作するため、強敵として立ちはだかることになる機体だ。 同機はアムロの「ガンダム」でも問題となった、ビームライフルがエネルギー切れを起こした後の火力の低下を、追加の固定兵装で補うという改良が施されている。 両肩部にガンキャノンのものを上回る大口径の300mmキャノン砲を装備。また、機体重量の増加による機動性の低下を補うため、脚部に推進器が追加され、「ドム」のようなホバー走行が可能となっている。 なお、『ガンダム モビルスーツバイブル 150巻』(デアゴスティーニ・ジャパン)における本機の解説では、「陸戦仕様のガンダムとしては究極」と高評価されていた。
■遅れてきた「ガンダムの最終形態?」
次に紹介するのは「M-MSV」、そしてPS3用ゲームソフト『機動戦士ガンダム戦記 Mobile Suit GUNDAM Battlefield record U.C.0081』(バンダイナムコゲームス)に登場した「ガンダム7号機(RXー78ー7)」だ。 ゲームの舞台は一年戦争終結後の宇宙世紀0081年であり、ほかのRXー78シリーズと比べると少々あとに完成している。 7号機の特徴として、「フルアーマー化」を前提とした設計で開発されている点が挙げられる。それも、ほかに類を見ない2段階に分けたフルアーマー化が計画されており、その1段階目は増加装甲ユニットを装着した「フルアーマーガンダム7号機」だ。これにより火力、装甲、機動性などの機体性能を底上げすることに成功している。 そして7号機にセカンドアーマーを追加した超重装仕様は、「重装フルアーマーガンダム」と呼ばれている。「ガンダムタイプの最終形態」を目指して開発が行われ、大出力ブースターやメガ・ビーム・キャノンといった追加ユニットを装着。まるでモビルアーマーのような驚異の火力を誇る、ボリューム満点の状態になる。 ゲーム内では、ジオンの残党「インビジブルナイツ」が企てた「水天の涙作戦」阻止のため、連邦軍の特殊部隊「ファントムスイープ隊」にガンダム7号機が配備される。月面での戦闘に投入されると、敵隊長機の「高機動型ゲルググ」と激闘を繰り広げ、ジオン残党の殲滅に貢献した。
■その名だけが語り継がれる謎だらけの機体
最後に紹介するのは「ガンダム8号機(RXー78ー8)」だ。ただ、この機体は「MSV」でその存在が明かされているだけで、現段階ではどのような機体なのかは、いっさい語られていない。設定画なども公開されておらず、まさに「幻のガンダム」とでも呼ぶべき存在なのだ。 このようにアムロが乗っていた「ガンダム2号機」には、これだけ多くの兄弟機が存在した。いずれもアニメ『機動戦士ガンダム』の劇中には登場しないが、どの機体も個性豊かで、魅力にあふれている。また8号機を除けば、ほぼガンプラなどの造形物になっているので、バリエーションに富んだビジュアルをぜひ見比べてみてほしい。
クロハチ