「17匹の犬が置き去り、助けて!」高齢者の孤独死で犬の多頭飼育崩壊が発覚→無事に保護「息絶えるぎりぎりまで食べ物もらっていたか」
飼い犬の避妊・去勢手術をせず…2匹から17匹に増えてしまった 多頭飼育崩壊の発生を食い止めるためには?
また高齢男性は、最初に保護依頼の連絡がきた17日の4日前に亡くなっていたところを発見。死後1週間くらい経っていたそうです。 「17匹が生きながらえていたのは、水と食べ物があったからだと推測します。バケツに水を入れて飲ませていたと思うような形跡がありましたし。ドッグフードらしき物は見当たらなかったのですが、犬たちはそんなに痩せていなかったので息絶えるぎりぎりまで人間の食べ物などを与えていたのではないかと思います。 また高齢男性は、アパートに入居したのは9年ほど前だとか。アパートの規約で犬2匹を飼うことは許されており、高齢男性は当初、規約通り雄雌2匹とともに入居したと聞きました。そのうち避妊や去勢手術をしてなかったため、次々と生まれて数が増えてしまったのでしょうね…今回男性が亡くなってから多頭飼育崩壊が発覚したのは、アパート周辺は住居がまばらなエリアで、入居者も高齢者がほとんどで少数だったこともあり、周囲が犬の鳴き声や臭いなどに気付かなかったようです」(愛護団体ら) 保護した17匹の年齢は、3歳から7歳ほど。巻き爪になって肉球に爪が食い込んでいたり、耳や目が炎症したりしていましたが、血液検査やレントゲン検査、検便などを受けて全て問題なかったとのこと。17匹のうち2匹は依頼者の知人が里親となり、残り15匹は3団体に分けて預かり里親を見つけているそうです。 今回、高齢者の孤独死によって犬の多頭飼育崩壊が発覚。多頭飼育崩壊の現場に動物たちのレスキューによく足を運ぶという小嶋さんは、こう訴えます。 「最近の多頭飼育崩壊の現場を振り返ると、高齢男性のように賃貸に住まれている場合は家賃滞納、チラシや新聞などの放置によって発見されますが、持ち家での孤独死の場合、発見に日にちが経過してしまうことが多々あります。また賃貸の場合は管理人の許可で保護することができたりしますが、持ち家の場合、ペットの所有権の問題で犬をすぐに保護することができません。身内を探したり、民生委員にもお願いしたりと救出に時間がかかります。置き去りになった、あるいはネグレクトされた動物たちが死ぬか生きるかの状況もあるので、持ち家の場合でもすぐにでも保護できるような国の制度などを改善してほしいと思います」 また多頭飼育崩壊の発生を食い止めるため行政側が多頭飼育を把握できるよう、一般社団法人「SORA小さな命を救う会」(代表・小嶋愛子、名古屋市)は2022年8月に多頭飼養届出制の条例制定を求める要望書を愛知県に提出。この要望書が議会で通り、今年24年4月1日から同県で犬や猫を合わせて10頭以上飼う人の多頭飼養届出が義務化されました。 ※里親募集に関しては「SORA小さな命を救う会」のホームページへ。 (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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