世界最高峰のツアーで結果を残すには技術の向上だけではなく、カラダの勉強も欠かせない(羽川豊)
【羽川豊の視点 Weekly Watch】 今年も24日から米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・アコーディア・ゴルフ習志野CC)が開催されます。推薦出場する大西魁斗(26)は今季、米下部ツアーのポイントランキングにより、来季のレギュラーツアーの出場権を手にしました。 【写真】原英莉花が国内ツアーをキャンセル、「罰金覚悟」で出場して得たスコットランド女子OPの収穫 大西は9歳で単身渡米し、IMGアカデミーで腕を上げ、南カリフォルニア大を卒業後にプロ転向。国内ツアーで初優勝を挙げた2022年の米下部ツアー予選会を通り、2年目の今季は「UNCヘルス選手権」に勝ったことが大きかった。幼い頃は、丸山茂樹の活躍を見て育ち、学生時代は松山英樹のツアー優勝が大きな刺激になったでしょう。子供の頃からの「準備」と「努力」が実を結び、先輩ゴルファーとしてうれしく思います。 この時季は日本選手の海外挑戦の話題が尽きません。女子は岩井明愛・千怜の姉妹と山下美夢有、竹田麗央が、来季の米女子ツアー出場権を懸けて12月の最終予選会にエントリーしました。原英莉花と神谷そらは、22日から同2次予選会を受けます。今季の米女子下部ツアーから昇格できなかった馬場咲希も、12月の最終予選会で出場権獲得を目指します。1年間米国で戦った経験は必ず生きるはずです。 男子も金谷拓実、岩崎亜久竜が米下部ツアーの2次予選会に参戦。米ツアーチャンピオンズ(米シニアツアー)のプレーオフシリーズ第2戦に進んだ藤田寛之は、2戦目終了時に賞金ランキング36位以内なら最終戦への出場が決まり、来季のフルシード権を手にします。前週の国内シニアツアー「ファンケルクラシック」を連覇した宮本勝昌も、来月の米シニアツアー予選会を受けると宣言しています。 予選会には夢を追う世界の挑戦者が集います。日本勢は力があっても、すんなり通過できるとは限りませんが、高いステージでプレーしたいと願うのは当然のこと。報酬は魅力だし、世界のトップと戦うために、何をすべきか考え、研究し、努力することは、人としての成長にもつながります。 男子は欧米選手との飛距離の差が縮まり、以前ほどティーショットでコンプレックスを感じることはなくなりました。身長や体力で劣る女子も、ショットやパットの精度を上げれば海外メジャーでも勝てることは証明済みです。 とはいえ、世界最高峰のツアーで結果を残すには技術の向上だけでなく、「体力」も重要です。連日の練習や飛距離アップへのスイング改造などは、それに耐えられる関節や筋力、スタミナが必要です。また、シーズンが始まれば長時間の移動や時差で体調を崩すケースも珍しくない。やみくもに筋トレをするのではなく、トレーナーの力を借りるなどして、体のことをよく理解し、コンディショニングについて勉強することもトップアスリートには欠かせません。 (羽川豊/プロゴルファー)