中島健人が語った海外ドラマ初出演作『コンコルディア』の刺激と挑戦、そしてアイドルとしての自分
<『コンコルディア』に出会わなければ、30歳の過ごし方は全然違っていたと思う。自分は今、人生をより楽しめる方向に歩みを進めることができている──と中島は言う>
誰にとっても安全で健康的な社会をつくる。そんな理想を追求したのがカメラとAI(人工知能)で住人の生活の全てを監視する街「コンコルディア」。そこで起きた初めての殺人事件がコミュニティーの計画を狂わせていく──。【大橋希(本誌記者)】 中島健人の英語インタビューや「コンコルディア/Concordia」メイキング映像を見る Huluオリジナル『コンコルディア/Concordia』は、『ゲーム・オブ・スローンズ』などのプロデューサーであるフランク・ドルジャーが製作総指揮を務めた話題のドラマだ。ドイツ、フランス、中東、日本の合作で、日本からは歌手・俳優の中島健人が参加。コンコルディアのAIを作った天才技術者のA・J・オオバを演じている。 海外ドラマ初挑戦の中島に本誌・大橋希が話を聞いた。 ◇ ◇ ◇ ──日本のドラマの撮影現場との違いを感じたところは? 海外ドラマって台本が製本されていないんです。当日撮影する場面の台本が紙で配られ、変更点もその日に知らされる。そこに臨機応変に対応することが必須の世界。日本では感じないプレッシャーはあったかもしれないです。 しかも英語なので、その差を特に大きく感じた。インタビューで英語を使うことはありましたが「表現」は初めてのことなので、まずは当たって砕けてみたらいいんじゃない?と思って臨みました。独特のカメラワークにも驚いて......。クレーンを蛇行させるのを初めて見て、遣隋使や遣唐使の気持ちになりました。小野妹子みたいな(笑)。
多くの質問や提案をして
──ドルジャーによれば、撮影現場で助言を求めるのは「弱さの表れ」とされ敬遠する人が多いが、中島さんは躊躇せずにそうしていたとか。 確かにそうかもしれないです。いろんな役者さんがいましたが、自分が一番バーバラ(・イーダー監督)やフランクに質問をしていました。 「海外ドラマに初めて出る日本人なのに、いろいろ言ってくるな」と思われそうなくらい、多くの提案もしました。 例えば、A・Jの衣装やキャラクター設定も僕の考えを伝えて、そこから話し合って作っていったんです。僕はA・Jはモックネックを着ているイメージがあったけど、スタイリストからは「最初はシャツにTシャツで優しさを表現し、彼が野心を出すに従ってモックネックにジャケットというオフィスカジュアルへ」という提案を受けました。1~6話までの心理の変化を衣装で表現する、と。 バーバラには「A・Jを作品のアクセントにするため、性格の悪い感じに見せたい」と言ったんです。それならA・Jの助手マチルドは優しくしてコントラストを出そう、という話になりました。