「アスパラガス」で水分代謝をアップして利尿を促しめまいを撃退【健康長寿に役立つ高齢薬膳】
【健康長寿に役立つ高齢薬膳】 アスパラガス ◇ ◇ ◇ 最近、頻繁にめまいがする。耳鳴りもあってつらい……。めまいにはいろいろなタイプがありますが、最近、シニアにも増えているのが「メニエール病」といわれています。以前は40代くらいに多くみられましたが、60、70代の発症も珍しくなくなってきています。 メニエール病は突然、自分やまわりがぐるぐると回る「回転性めまい」が起き、片側の耳鳴りや詰まった感じ、難聴を伴うといった特徴があります。吐き気や嘔吐、冷や汗などの症状もみられます。めまいは30分から2~3時間で自然に治まることが多いとされます。原因は内耳のリンパが増加して水ぶくれ状態になり、内耳の感覚障害を阻害するためで、過労や睡眠不足、ストレスも関係しているといいます。 メニエール病のめまいは、繰り返し何度も起きる傾向があります。発作が発生する間隔は個人差がありますが、数週間から数カ月おきといったケースが多くみられます。ただし、発作を繰り返すうちに、めまいが治まっても耳鳴りや難聴が元に戻らなくなってしまう場合もあるので、早めの治療が大切です。 中医学において、メニエール病にみられるような「回転性のめまい」は、体内の水分が過剰になり巡りが悪くなっている「水滞」という状態の場合に引き起こされやすいと考えます。滞った水分は、身体のあちこちに溜まりがちで、とくに内耳は影響を受けやすく、めまいの原因になるのです。 水滞の場合、めまい以外にもむくみ、胃の不調、吐き気、下痢といったトラブルがみられます。改善のためには、利尿作用の高い食材を取り入れて、体内の余分な水分を排出することが必要です。 おすすめはアスパラガス。水分代謝をアップして利尿を促す効果が大。むくみの改善にも威力を発揮します。また、消化吸収を高めて疲労回復にもよく、尿道炎、高血圧にも役立ちます。めまいは、雨の日、湿気の高い梅雨どきに悪化しやすいので、積極的に取り入れるように心がけましょう。 アスパラガスのメニエール病のめまい改善効果を高めるには、同じく体内に過剰になった水分を排出する効果の高い枝豆、ソラマメ、トウモロコシ、緑豆もやしなどを組み合わせるとよいでしょう。 ■アスパラガス高齢薬膳レシピ アスパラガス、枝豆、コーンの中華風サラダ 体内の余分な水分を排出するアスパラガスに、同様の効能がある枝豆とトウモロコシを組み合わせた「身体の水はけ」をよくするサラダ。オイスターソース入りの、コクがある中華風ドレッシングで、食が進む味わいです。 【材料】2人分 ●アスパラガス 2本 ●ゆで枝豆 20さや ●コーン缶(200g) 1/3缶 ●A(しょうゆ、酢、ごま油=各大さじ1 オイスターソース、鶏がらスープ=各小さじ1/2) 【作り方】 アスパラガスは根元の固い部分を切って、塩を入れた熱湯でゆで、水にとり冷ます。1センチ程度の長さに切ってボウルに入れ、さやから出した枝豆、コーン、混ぜ合わせたAも加えて全体を混ぜる。 (池田陽子/薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト)