高塚1号墳、有志で草刈り 三重・明和町郷土文化を守る会
全容分かる説明板も設置
三重県多気郡明和町の明和町郷土文化を守る会(潮田均会長、約120人)はこのほど、同町池村にある南勢地区最大級の古墳・高塚1号墳の草刈りを実施した。 同古墳は5世紀中ごろに造られたもので、円丘に16メートルの前方部と7メートルの作り出しが付き、上から見るとホタテ貝の形に似ていることから帆立貝式古墳と呼ばれる。全長72メートルで円形部分の高さは7.7~8.9メートルで、櫛田川以南では最大級の大きさを誇る。 以前は倒木や草が生い茂り足を踏み入れるのが困難だったが、より多くの人にこの古墳の存在を知ってもらおうと、同会が2021(令和3)年から土地所有者の了解を得て、倒木の除去や草刈りなどの整備を進めている。昨年11月には現地説明会も開かれ、参加者たちは実際に古墳の上を歩きながらその大きさを体感した。 同会による整備を受け、町は21、22年度にかけ詳細な測量を実施し、今年2月には古墳の全容が分かる説明板も設置した。説明板には測量図と共に、古墳の概要や出土した埴輪(はにわ)や土器片などの写真を紹介している。 今回は、雑草が増えるこの時期に合わせ、同会の有志8人が草刈り作業を実施した。東川克文事務局長(72)=明和町佐田=は作業を終え、「土地所有者の協力もあり、多くの人が気軽に見学できるまでになりました。若い人にも足を運んでもらい、一緒に私たちと活動してくれるようになったらうれしい」と話している。