温故知新 OHVとDOHC、FRとMR「コルベット C4 ZR-1」と「コルベット C8 Z06」
保存状態の良いV8コンバーチブルでタイムトラベル
私たちのテストカーは、全体的なコンディションが2+と評価され、スクリーミングレッドのキャビンは他の部分よりもさらに良い状態だった。当時、インテリアはテスターの主な批判のひとつだったが、今日のレンズを通して見ると、「C4」は「964/993」よりもずっとモダンに見えるし、素材も素晴らしい。表面はほとんどすべて裏起毛で、レザーは、初代オーナーのボブがネバダ州で日本製クーペや「911」の列を吹き飛ばしていた古き良き時代の物語を数え切れないほど語りたくなるようで、個性的できしむ。
「C5」は、デザインという点では長年にわたって内部の老朽化が進んでおり、「C6」はプラスチックの砂漠と化している。加えて、ヘッドレスト下の水平エレメントに「コルベット」のレタリングが施されていたり、電動調整式でサイドサポートに優れたシート裏の2つの秘密でも何でもないコンパートメントなど、小さいながらも愛すべきディテールがある。ちなみに、ABSエレクトロニクスは1986年モデルの「C4」からは左側のコンパートメントに配置されているが、「ZR-1」にはない。ここでは両方のコンパートメントを使用することができる。
90年代の「ZR-1」にはなかった機能として、1991年から標準装備されたトラクションコントロールがある。そのボタンはステアリングホイールの左、ロータリーホイールの上にあり、おそらく史上最もクールなポップアップ式ヘッドライトである。ポップアップするのではなく、後方に162.5度回転してヘッドライトを見せるのだ。しかし、長年の使用により、メカニズム内のプラスチック製キャリアが摩耗し、文字通り崩れてしまうことが問題となる。 なぜ「ZR-1」は合計6,939台しか製造されなかったのか?1990年には58,995ドル(約885万円)で販売されていた。「ZR-1」パッケージは27,000ドル(約405万円)以上も高かったのだ。そして1991年以降、「ZR-1」は普通の「コルベット」とほとんど見分けがつかなくなったが、価格は85%高くなった。1992年に300馬力の「LT1」が「L98」に取って代わったとき、「ZR-1」にはほとんど反論の余地がなかった(スモールブロックの開発者たちは、GMがロータスにパフォーマンスエンジンを委託したことに腹を立てたという噂がある)。生産最後の4年間(1992年から1995年)、シボレーは2,000台も売れなくなった。