【高校野球】藤枝明誠の二枚看板がパワーアップ…全国高校野球選手権静岡県大会7月6日初戦~話題校紹介
昨秋の県王者で、東海大会は4強に導いた藤枝明誠の二枚看板が、力をつけてきた。エース右腕の山田十三(じゅうぞう)は「夏の甲子園行くために自分がチームを勝たせる」と17年以来、2度目の聖地しか見ていない。同じ3年生左腕の日吉結雅と、昨秋は県5試合のうち3試合を2人で継投。最後の夏も強力リレーで引っ張る。 チームでは昨夏4強を経験している皆川皓也捕手(3年)、井手尾哲兵遊撃手(2年)ら鉄壁の内野陣を誇る。ただ、光岡孝監督(46)は「夏、勝ち抜くためには投手のレベルアップが絶対」と言い切る。昨秋は2投手を中心に県を制したが、東海大会準決勝・愛工大名電戦(6●10)では先発・山田、2番手・日吉がともに大量失点。東海4強という結果に甘んじることなく、投手力を課題にしてきた。 最速135キロの山田は昨秋以降、フォークやチェンジアップを習得し、変化球は4種類になった。また直球の質を高めるため、握力をつけて回転数をアップ。「春は変化球でカウント、直球で空振りを多く取れるようになっていた」と手応えを感じ取っていた。 日吉は春の県大会後に左肩違和感で約1か月離脱していたが「夏に向けて最高の準備をしていきたい」。最速125キロと速くはない分、「打者の手元で急に曲がるように変化球のキレを磨いていきたい」。自信のあるカーブ、スライダーでアウトの山を積み重ねる。 離脱中の日吉が珍しく弱音を吐く姿を見て、山田は自身が通う整骨院などで得た知識から、一緒に柔軟体操を行うなど心身ともにサポートしてきた。日吉が「一番本音を話せる」というほど。下級生も成長したチームは5投手で夏を迎える見込みだが、光岡監督が起用を示唆する3年生は2人のみ。「山田を支える気持ちで臨みたい」と日吉。厚い信頼関係の左右両輪で夏も勝ち上がる。(伊藤 明日香)
報知新聞社