770ccエンジン搭載&ワイドボディ化の「コペン」! ダイハツ「GRスポーツラリー参戦車」がスゴイ! 「もっといいクルマづくり」推進する「ハイスペモデル」の実力とは
770cc&ワイドボディの軽規格超え「コペン」?
ダイハツはモビリティビジネスのグローバル商社であるSPKともに“モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」”を推進するため、TGRラリーチャレンジやK4GPなど様々なレースに参戦しています。 【画像】超カッコイイ! ダイハツ「“大きな”コペン」を画像で見る(60枚) そんなダイハツのレース参戦車両の一つ「コペンGRスポーツラリージャパン参戦車両」を体験する機会を得たのでレポートします。
ダイハツ「コペン」は、2002年に登場した軽自動車規格のオープンカー。その愛らしいデザインや走りを楽しめるMTの設定などで人気を博しています。 現在販売されるのは、大胆なイメージチェンジを果たし2014年に誕生した2代目です。 通常モデルの“ローブ”の他に、初代モデルのイメージに近い“セロ”やSUVタイプの“エクスプレイ”(現在は販売されない)といった様々なバリエーションが存在しているほか、2019年にはTOYOTA GAZOO Racingより、さらなる走行性能の強化を行った「コペン GRスポーツ」も登場しています。 ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1280mm。パワートレインは、最高出力64馬力・最大トルク92Nmを発揮する直列3気筒ターボエンジン。組み合わせるトランスミッションはCVTもしくは5速MTです。 直近では、2024年12月10日に一部改良モデルが発表されており、安全性能の向上が図られています。 そんなコペンの前述のハイパフォーマンスモデル、コペン GRスポーツをベースにレース参戦用の車両としてダイハツが改造を施したのが、今回のラリー参戦車両です。 コペン GRスポーツラリー参戦車両は、スポーツカーを鍛える活動に位置づけられ、ダイハツ全車種に「モータースポーツを起点とするもっといいクルマづくり」の知見を活かす一端を担います。 2023年のラリージャパンにも参戦しており、この際はスポット増し&構造用接着剤によるボディ剛性の向上や、Frアンダーカバーによる床下空力向上を行っていましたが、同車はレース参戦ごとに様々な課題を発見し、改善を行っているといい、今回登場した2024年のラリージャパン参戦車両では更に様子が変わっています。 エクステリア上で最大の特徴は、片側40mフェンダーによるワイドボディ化。ホイールベーストレッド比1.62となっているといい、通常のコペンとは一線を画する迫力あるデザインになっています。 また、カーボンルーフやアクリルガラスも装備され、低重心化も図られているほか、各種エアロパーツで空力性能や、冷却性能の改善も図られています。 さらに、660ccのエンジンをボアアップし770ccに拡大したほか、タービンも大型化し、最大出力140馬力・最大トルク19kgmにパワーアップしている点も大きな特徴と言えるでしょう。 クラス最速を目指すとして、もはや軽自動車の枠を超えた同車に、スパ西浦モーターパークで同乗試乗する機会を得ました。 運転してくれたのは、実際にD-SPORT RACINGでドライバーを務める相原泰祐氏です。 実際に乗り込んでみると、バケットシートに換装されているほか、ロールケージが組まれるなど、かなりレーシーな仕様に。レースを走るために必要な計器やスイッチ類が追加され、通常のコペンとは一線を画す仕様となっています。 走り出すと770cc化されたエンジンが、期待以上の出力を発揮し、軽量なコペンを素早く前に押し出します。 運転しているのは実際のラリードライバーである相原氏なので、筆者(編集部員B)とはレベルの違うスピードでコーナーに突っ込んでいきますが、剛性向上とワイドボディ化の効力は凄まじく、軽自動車とは思えないほどの安定感(実際にはもはや軽自動車ではないが…)を感じます。 しかし、一部コーナーで燃料がエンジンに適切に送り込まれていないような出力低下を感じるシーンもありました。 ここは今後の改善要素だといい、現在水の流れ方を研究しているといいます。また、同乗走行だったのでわかりませんでしたが、ハイパワー化でMTのフィーリングが悪化しているといい、こちらも今後の改善課題だといいます。 ※ ※ ※ もはやコペンとは思えないほどのポテンシャルを感じるコペン GRスポーツラリー参戦車両。 “性能UPでクラス「最速」にこだわり改善”を行ったといいますが、今年行われたラリージャパン2024では、結果的に「最強」にはなれず、不具合連発で苦戦「悔しい結果」となったといいます。 しかし、課題出しにはしっかり成功したと前述の相原氏は話します。また、「本当に悔しかった。そして我々が本当に負け嫌いなことを知った。悔しい気持ちを忘れず、“もっといいクルマ”に改善を続けみんなでもう一度ポディウムの頂点へ行きたい」とも意気込みを語ってくれました。 一連のダイハツのレース参戦が、今後どのような形で実際の市販車にフィードバックされるのかはわかりませんが、今後の動向に注目です。
くるまのニュース編集部